『...ぁ、んっ...っ...』


「声、抑えないで」





「夢じゃわからない事、もっと俺に教えて」なんて彰が私の首元から耳へ近づいて囁く様に言うもんだから、私は恥ずかしくて首を小さく左右に振りながら下唇を噛み締める。彰は少しだけクスッと笑って「じゃあ抑えられないくらいトロトロにしてあげようか?」なんて意地悪そうに耳元で囁いた。私がその言葉にゾクッと反応するように身体をびくつかせると、彰は胸の突起を摘んで私の耳に唇を寄せていく。ギュッと強く摘まれたせいで漏れる声が徐々に大きくなると同時に自分の身体を支えられなくなって、彰の上に倒れ込む様に覆い被さる。彰は小さく吐息まじりに笑って、私の耳に舌を這わせながら「もっと花子ちゃんのえっちなところ、見たいな」なんて熱い息と共に聞こえた言葉と、彰の指先で弄られていく胸の突起の快感に翻弄される様に私の身体がさらに熱を帯びていく。ゆっくりと彰の片方の手が胸から背中になぞる様に降りていくと、私の腰がビクッと反応して、ジワリと下着が熱く濡れた気がした。





『まっ...あ、きら...』


「ん?なに?」


『ちょっと...す、ストップ...ッ...ん、』


「フッ...花子ちゃんはさ、恥ずかしいだけなんだよね?」






「もうぐちゃぐちゃに濡れちゃってるって事が」と意地悪そうな笑みを含んだ声が聞こえて、私の背中をなぞっていた彰の指が腰へと移動してからズボンの中へと入り込む。彰の言葉を否定する様に『違う』と小さく呟くのに、彰の指が下着越しに私の秘部に触れた瞬間にくぐもった様に小さく聞こえた水音がやけに響いて聞こえた気がした。「でもほら...もう、下着まで濡れてるよ」とボソッと聞こえた彰の声にカアッと一気に頭と顔が熱くなって、思わず耳元にある彰の顔の方へと顔を向ける。バチッと目があうと、彰は困った様に小さく笑って私の唇を静かに奪った。下着越しに触れる彰の指が擦り上げる様に動かされると、口の隙間から漏れる私の声が大きくなって、その隙間を狙った様に入り込んでくる彰の舌に身を任せていく。気持ちいい...と、ふわふわする感覚と自分で弄る時とは違う快感が私の身体を余計に熱くさせて、私の視界を滲ませる。彰が秘部の突起を下着越しに引っ掻くと、私はビクッと腰を震わせながら彰のシャツを強く握った。






「直接触っていい?」


『あっ...ちょっ、と...待って...っ...』


「でも下着、もっと濡れちゃうよ?」






「だから、触らせて」なんて柔らかい彰の口調に諭される様に言われて、私は静かに目を閉じた。彰のフッと笑った息が頬に当たった瞬間に、下着を器用に避けて彰の指が私の秘部に優しく触れる。割れ目を優しくなぞられるたびに鳴り響く水音が、彰に再び吸いつかれる唇から聞こえるリップ音と混ざって頭が余計に白くなっていく。秘部全体に濡れた愛液を塗りつけられる様に彰の指が動いて、滑りの良くなった指で秘部の突起を優しく押しつぶされる。ビクッと震えた腰と甘く漏れた吐息まじりの喘ぎ声が私の体温を上げていく。指の腹で擦るように秘部の突起に触れてくる彰の口を無理やり離して『だめ、もう』と絶頂を迎えそうなことを彰に告げると同時に彰の手が私の秘部から離れていった。なんで?と、不思議そうに彰を見つめると、彰は私と身体を反転させる様に押し倒すと、軽く口付けてから「ちゃんと見せて」と言いながら私のズボンと下着を器用に脱がせていった。私は思わず下半身丸出しなことが恥ずかしくて足を強く閉じるけど、太腿の隙間から彰の手が入り込んで無理やり足を開かされる。力強い...。とかなんとか思っていると、いつの間にか私の下腹部におりていた彰の頭のせいで、私の秘部に彰の熱い息がかかった。『あ』と声を出すか出さないかのタイミングで彰の舌が私の秘部をなぞっていって、私の頭は電流が走った様に何も考えられなくなっていく。だめ、やだ。お風呂入ってない。と、恥ずかしさから顔を手で覆うのに、彰の舌は躊躇なく私の秘部の突起と秘部全体を舐め上げる。








『やっ...だめ、それ...っ...!』


「花子ちゃんの...甘くて美味しい」


『...ッ!やぁっ、あ...!』








そんな感想聞いてないし、と余計に恥ずかしくなって顔を覆う手に力を込めると、彰の指が秘部の入口をなぞって徐々に膣内に埋め込まれていく。そのせいで腰が震えて下腹部にギュッと力が入る。探る様に膣内を擦り上げる彰の指が、何度か私の良いところを擦り上げては指が遠のく。内腿が快感とともに震えると、彰は秘部の突起から舌を離して指を更に膣奥へと進めていった。膣壁を押し上げながら擦られると、ビクビクっと震えた腰と少し高くなった甘い声が私の頭を更に白くさせる。「奥からまた溢れてきたね」と秘部に息がかかる距離で彰の声が聞こえて、全部見られてしまっている事が私の羞恥心を高めていく。恥ずかしいのに気持ちよくて、彰の指が私の良いところに当たるように勝手に腰が動いてしまう。それを見ているであろう彰は「自分から腰揺らしちゃって...花子ちゃんって本当にやらしー」と意地悪い笑みを含んで呟いたあとに、「でも、可愛い」なんて甘い声でそう言った。私は更に恥ずかしくなって足を閉じようとするのに、彰の手と頭がそれをさせてはくれなくて、突然避けていた私の良いところを擦り上げられると同時に、私は甘い声をあげて彰の指を締め付ける。





「もう、中柔らくなっちゃってるね...俺の指に吸い付いて、奥に欲しいって誘ってる...」


『や、やぁっ...あっ、ああ!』


「...フッ...花子ちゃんって、ちょっとマゾ入ってるのかな?意地悪すると、中締まるよ」







「美味しそうな香りが濃くなった」と秘部に吸い付きながら膣壁を押し上げられると、私の腰が反るように浮いていく。恥ずかしいのに、たまらない快感と迎えそうな絶頂の事しか考えられなくて、身体中が熱くなる。止まらない声と、何かにしがみつきたくて、自分のシャツの裾をギュッと握りしめて『や、だめ、もう』と途切れ途切れの言葉で彰に絶頂を伝えていった。彰は「いいよ、花子ちゃんがイく所俺に見せて」と言ってからまた私の秘部の突起に舌を這わせる。どんどん高まっていく絶頂に、真っ白になっていく頭と力が入る身体と、電流が流れたような脳内と、目をギュッと瞑るとチカチカした様に光った様な錯覚が私の絶頂を知らせていく。彰は私が絶頂したのを確認してから、何度か膣内を掻き回してジュルっと私の愛液を吸い上げると「あーあ、イッちゃったね」なんて、イかせたのは彰のくせに意地悪そうにそう言った。私は止まらない愛撫に腰をびくつかせながら、これ以上のことを期待して『も、お願い』と彰の方へと手を伸ばす。彰は「ん?何?」なんて私の顔の方へ移動すると、一度私に口づけをして「花子ちゃん、なに?」と催促する様に私に問いかける。私は敏感になった膣内を掻き回す彰の指を無意識に締め付けながら、奥で疼く所を突いて欲しい、と言えないまま懇願する様に彰を見つめた。彰は多分分かってる、分かってるけど...言わせたいんだ。なんて思ってまた私の背中にゾクリと何かが走って、下唇を一度噛んでから『挿れて...ください...』と小さな声で呟きながら彰から視線を外した。






「...何を?」


『えっ、あ...え?』


「もう、指は入れてるよ?花子ちゃんは何が欲しいの?」






「ねぇ」と耳元に移動した彰が囁く様な声でそう言って、私の膣内をゆっくりと掻き回す。何って、ナニ...だけど...。とは言えずに、黙って耳元にいる彰を追いかける様に見つめるけど、彰は困った様に眉を寄せて、私の唇を優しく塞ぐ。口内に入ってくる彰の舌に自分の舌を絡めながら、自分のシャツの裾を握っていた手を彰のシャツに移動させて、ギュッと握りしめていく。唇が離れると彰は一度ギュッと目を瞑って、考える様に少しだけ黙った。私がそのまま彰の答えを待っていると彰の指が膣内から抜けていって、呼吸を整える様に一呼吸した後に彰は「ごめん、それは...やっぱり出来ない」と、困った様に小さく笑う。私は一瞬言葉を失って、彰を見つめると彰は「花子ちゃん、ごめん...駄目だよ、挿れられない」なんて目をギュッと瞑った。何で?とは聞けなくて、自分が言った言葉が今更恥ずかしくなっていくのと同時に『...私こそ、その...ごめんなさい...か、帰りますね!』と、彰の下から離れて急いで自分の洋服を拾って玄関へと足を進める。彰の「花子ちゃん、待って」と声が聞こえたけど、私は構わず彰の部屋から飛び出した。部屋に急いで戻って玄関の鍵をかけて、扉にもたれる。恥ずかしくて、消えちゃいたかった。しかも下半身丸出しだったのに廊下に誰もいなかった事が救いだ。それに、玄関の鍵をかけたって彰が壁から入ってきたら終わりなのに...。と思いつつ期待して自分の壁の部屋を遠くから見つめていく。夢の中でも彰は最後までしようとしなかった。補給、って言ってたし、私のことなんて本当に食事、とか都合のいい人間だとしか思っていないのかもしれない...。なのに1人で好きだ、なんて勝手に盛り上がって、馬鹿みたいだ。そう思えば思うほど気分が落ちてきて、私の胸がチクリと痛む。ツンっと痛んだ鼻先を誤魔化す様に急いで持ってきた洋服を少し見てから、お風呂入ろう...そうすれば彰が入ってきても誤魔化せる...。そう思って私はお風呂へと足を進めた。




早くも失恋
(失恋の最短記録)




結局彰がその日私の部屋に来ることはなくて、次の日も次の日も、彰の姿は見えない。私は改めて失恋した悲しみでやけ酒をしてみたけど、胸の痛みが引くことはなかった。






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