透とは家が隣で、親同士も仲が良くて、小さな頃から一緒だった。もちろん小学校も中学校も一緒で、透を含めた仲間内で馬鹿みたいなことをして笑い合う様な、いわゆる幼馴染ってやつで親友と呼べるくらい仲が良かった。そんな関係性が少し変わったのは別々の高校に入ってからで、私は女子校、透はバスケの強豪である翔陽高校に進んでいって、お互いに距離ができていたとも言えるけど、透は私によく「女なんだから」と、言う様になっていった。私はどちらかと言うと男っぽい性格だからなのか、透の言葉になんだかいつもカチンときていた。それに「女なんだから」と言う一言のせいで一線を引かれている様な気がして、透との距離を余計に感じるようになっていった。それでも休みの日や透の部活終わりにたまに会ったりはしていたし、仲が悪くなったと言うわけでもなかった。休みの日には翔陽高校のバスケ部に行って練習するところだってたまに見に行ったりして、距離が少しできたって私達は幼馴染で親友と言う事に変わりはない。あの日、透が私にあんな事をするまでは...。














「花子ー!そんな所にいたらボール飛んでくるぞ!」


『うっせえな!わかってるよー!』





週末、透の部活が終わりそうな時間に翔陽高校の体育館のドアの所で『透』と名前を呼んで顔を出すと、体育館の奥の方で藤真と話している透を見つけた。まだ体育館の中では練習している部員の姿があって、透が奥の方から注意してきた途端に私は不機嫌そうに眉を寄せていく。そのまま靴を脱いで体育館の中に入って透のところに駆け寄ろうとした瞬間、私の頭上目掛けてリングに入りきらなかったであろうボールが私の方に飛んできたのが視界の隅に見えた。私は飛んできたボールを思わずキャッチした...つもりだったのに、飛んできたボールは見事に私の頭にクリーンヒットしてしまい、私のこめかみがズキッと痛んだ。思わず手で頭を押さえながら『いってえ〜!』なんて声を出してしゃがみ込むと、私の名前を呼ぶ透の声が聞こえて、しゃがんだ姿勢のまま声のする方をチラリと見つめる。視線を送った先には、慌てた様子で私の方へと駆け寄ってくる透の姿が見えた。




「だから言っただろ!」


『しょうがないじゃん...!』


「見せてみろ」


『大丈夫、こんなん擦り傷だって』


「大丈夫なわけないだろ、女なんだから傷でも残ったら...」






透が言いながら私の頭に手を伸ばした瞬間に「女なんだから」と、いつもの様に言った透の一言で私は思わず透の手をバシッと払い除けた。なんだよ、女だからって...男だって傷が残ったら嫌だろ。何でそんなに、女だからとか男だからとか一々言ってくるんだ。なんてムッとした表情で透を見つめると、透は私の言いたいことがわかったみたいに小さくため息をついていって、「いいから、見せろよ」と私の手首を掴んで頭を触っていた私の手を無理矢理に退けていく。透は私のこめかみを見た瞬間に「少し血が出てる...消毒、しに行くぞ」なんて私の手を引っ張り上げて立たせると、何かに気づいたみたいに「お前なぁ...」と呆れた様な声を口から小さく漏らしていった。私が『なに?』なんて聞き返す言葉をかき消すみたいに透は「藤真、部室行って消毒してくる」と藤真に向かって声を張り上げながらそう言うと、『お、おい!透、大丈夫だって!』なんて焦る様な私の言葉を無視して部室へと足を進めていった。



『透...』


「...」


『透ってば!』







部室へ向かう間、私の呼び掛けに全く返事をしない透が何で怒ってるのかわからないまま私は透の後をついていって、部室の前で立ち止まった透の背中にドンっと顔が当たって足を止める。部室の扉が開くのと同時に透は掴んでいた私の手を離すと「入れよ」なんて不機嫌そうなまま私に声をかけてきて、私は透の言葉に従うみたいに部室に入っていく。その瞬間にバタンと勢いよくしまった扉の音でビクッと身体を飛び上がらせると、透が「いい加減にしろ」といつもよりも低い声でため息混じりに呟いた。






『な、なんだよ...』


「花子、俺言ったよな?」


『は?なにが?』


「下着、ちゃんとつけろって言っただろ」


『...下着って...ブラジャーのこと?別に...私の胸あるのかないのかわかんないくらい小さいし、そんなのしなくたって誰も...』







気づかないだろ、と言おうとした瞬間、透が私に近づいてきたと思ったら「俺がわかるってことは、他のやつもわかってんだよ」なんて睨む様にして私を見つめてきた。私はどんどん近づいてくる透が、まるで知らない人みたいに見えて思わず後ずさっていく。どんどん追い詰められる様にして後ずさった私の背中に、ドンっと壁側に並んだロッカーが当たっていって、私はロッカーと透に挟まれていった。バンッ!とロッカー独特の金属音が鳴り響きながら勢いよく私の顔横に透の手が置かれていって「自覚させないと分からない様なら、そうするまでだ」と、透が言いながら私のシャツをぐいっと胸元まで捲りあげてくる。そのせいで露わになった私の胸に部室特有の冷たい風が当たっていく。すぐに自分の手で胸を隠す様に腕を回そうとすると、顔横に置かれた透の手が私の手首を掴んでいって、私の手が胸元からロッカーに押し当てられる。同時に私の耳元に透の顔が近づいてきてビクッと体を強張らせると、透は「花子が女だって、ちゃんと教えてやる」なんて吐息まじりに囁いた。瞬間に捲り上げられていたシャツから透の手が離れていって、透の指が私のくびれをなぞっていく。どんどん上がっていく透の指が私の胸に到達すると、私の小さな胸に透の大きな手が当たっていって『透...冗談やめろよ!悪かったって...!』と眉を寄せて声を荒げながら抵抗する私に透はさらに追い討ちをかける様に私の胸を揉んでいった。「冗談でこんな事するわけないだろ」なんて囁きながら私の耳に舌を這わせていく透が、必死に抵抗しているのにびくともしない透の身体が、嫌でも男女の力の差ってやつを私に自覚させていくみたいだった。





『やめろ...透...っ...』


「...花子が悪いんだぞ」


『と、おる...お願いだから...っ...!』


「俺みたいに身長が高いと嫌でも見えるんだよ...Tシャツの隙間から、この胸の先とかが...」


『...いっ...!』







透の言葉と共にギュッと指で摘まれた胸の突起のせいなのか、少しの痛みとそれだけじゃない何かが私の背中にゾクリと走っていって、「立ってきたな...」なんて耳元で聞こえた透の低い声が私の頭の中に響いていくみたいだった。『やめろよ、透』と口から漏らして下唇を噛む私の耳元から透の顔と、私の手首を掴んでいた透の手が離れていって、胸をホッと撫で下ろしたのも束の間で、透の顔が私の顔に近づくと「やめない」なんて、いつもの顔とは違う鋭い目つきの透と目があった。その瞬間に私の唇と透の唇が重なっていって、小さなリップ音が部屋に響いていく。ヌルリと私の唇に触れた透の熱い舌に『嫌だ!』と、顔を逸らした私の顎を透が掴んでいって、逸らした筈の顔が力尽くで戻される。「もっと、危機感持てよ」なんて私の目を見つめた透が眉を寄せていくのが見えて、私が『分かったから、本当にもう...』やめろ、と続ける前にまた塞がれた私の口内にグッと透の舌が入り込む。口の隙間から漏れる自分の声じゃない様な甘い声が、未だに透の指で摘まれている私の胸の突起が、射抜かれる様な透の鋭い瞳が、私の視界をじわりと滲ませていって、退けようと必死に透の胸に手を当ててグッと力を込めて押していく。それでも少しも変わらない状況と、口内で私の舌を絡め取る様に蠢いていく透の舌が、私の頭をどんどんおかしくさせていった。何度が私の舌と透の舌が絡まると、チュッと私の唇を吸い上げながら透の唇が離れていって、同時に顎を掴んでいた透の指が私の口内に入り込む。興奮した様に上気した透の吐息が私の顔にかかっていくと、更に私の視界がじわりと滲んでいって、口内に入り込んだ透の指が私の舌にグッと押し当てられる。そのせいで閉じることのできない私の口からは小さく甘い声が漏れ出ると、透が眉を寄せながら意地悪そうに笑う口元が、滲んだ視界でもハッキリと確認できた。透は何も言わないまま私の胸元に顔を下ろしていって、私の胸の突起に透の熱い吐息が当たるのを感じていく。「こっちは弄ってないのに、こんなに立たせて...厭らしいな」なんて透が呟いた途端に私の胸の突起に透の舌が這っていって、私は閉じることのできない口から甘い声を漏らしていった。






『あっ...ぅ...ッ...』


「こんなに敏感な癖に...本当は煽ってたのか?」


『ふぅ...っ...うっ...』


「俺の指も、涎でベトベトにして...」







言いながら透の指が私の口内から離れていって、私の下腹部に唾液で濡れた透の指がおりていく。『透、それ以上は本当に...!』と、声を荒げる私のズボンと下着の中に透の指が入ってきて、私の秘部に透の指が触れた瞬間にクチュッと鳴った水音が、静かな部室に響いていった。透に無理矢理されているこの行為に感じているみたいに私の秘部からは耳を塞ぎたくなるほどの水音が私の耳に届いていって、秘部に触れた透の指が私の秘部の割れ目を優しくなぞる。「指、濡らす必要なかったな」なんて透が笑みを含んだ声で呟くのが聞こえると、私の顔と頭がカッと熱くなっていって、同時に透の胸に当てていた手に力を込めながら『透』と懇願するみたいに透の名前を呼んでいくと、私の胸の突起から透の顔と指が離れていった。やめて、くれた?なんてホッとしたのも束の間で、私のズボンと下着が一気に下げられていって『いや!』なんて声を荒げる私の足の間に透の顔が埋まっていく。そのまま片足を持ち上げられて、しゃがみ込んだ透の肩に私の膝裏が乗せられると、私の秘部の割れ目をなぞっていた透の指が私の秘部の入口に移動する。同時に秘部の突起に寄せられた透の熱い唇がチュッと小さなリップ音を鳴らしたのが聞こえると、『透』と必死に透の名前を呼ぶ私の膣内にゆっくりと透の指が侵入していった。









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