風邪を引いていた間、牧くんはずっと看病してくれた。ご飯も作ってくれていたし、「ちゃんと着替えろ」とかお母さんみたいな事言ったりして、高校の頃と何も変わらない、優しい牧くんだった。風邪が治って調子が戻ってきた日の夕方、私はキッチンに立っていて、今まで牧くんに迷惑かけた分、しっかり働こうと『よし!』なんて袖をまくって意気込んだ瞬間に、リビングのドアがガチャリと開いて牧くんが驚いたような表情でこちらを見ていた。『あ、牧くん』なんていつも通り名前を呼ぶと、牧くんは急いで私の方まで寄ってきて「もう、大丈夫なのか?」なんて私のおでこに手を当てる。熱を確認するだけの、なんでもない仕草なのに私は死ぬほどドキドキしてしまった。牧くんの手が当たっているおでこから熱を帯びていくみたいにどんどん熱くなっていって、私の脳みそが熱さで焼け切っちゃうかと思うくらいに、私の顔は、頭は、どんどん熱くなっていく。




「…やっぱり、まだ熱いんじゃないか?」


『あ、あの、これはそういう事じゃなくて…』




もごもご言ってる私の言葉に牧くんは「なんだ?」と聞き返すように私の目線まで腰をかがめて、真剣に私の話を聞こうとしているだけなのに、牧くんの顔が近くにあるっていうだけで、私は意識しすぎて心臓が飛び出ちゃいそうだった。今までの怖い牧くんが嘘なんじゃないかとさえ思うくらいに看病してくれたときの牧くんが優しくて、私は高校の頃の気持ちが戻ったみたいに胸が熱くなってしまう。あんなに酷いことをされたのに、牧くんのことが気になってる私の気持ちを知られたくなくて『本当に!もう大丈夫だから!』なんて私は強めの口調で言いながらおでこにある牧くんの手を払いのけた。瞬間に私の手首が牧くんにガシッと掴まれて、私は驚いて牧くんを見つめる。「わかったよ。じゃあ…遠慮はいらないよな」そう言って目を細めて意地悪そうに笑った牧くんの言葉に、ゾクリと私の背中に何かが走っていって、そのまま強引に口づけられると、小さなリップ音が微かに響くみたいに聞こえたすぐ後に私の唇に牧くんの舌が当たった。私は驚いて牧くんの胸を強く押すのに、そんなの意味ないみたいに、牧くんの手が私の腰に回ると、私を抱き寄せるみたいに牧くんの身体に私の身体が密着していく。私の口の隙間から滑り込むように入ってくる牧くんの舌が、私の舌を絡め取っていって、厭らしい水音がさらに響いていくのと同時に、腰に回った牧くんの手が私の洋服の隙間から入ってくる。優しく私の背中をなぞってくる牧くんの指に思わず身体を小さく揺らすと、牧くんの唇が私の唇から離れていって「どこでも感じるな」なんて言って小さく笑った。私は恥ずかしさから顔がどんどん熱くなっていって『やめて』なんて言いながら牧くんを見つめると、牧くんはため息交じりに「いい加減にしろよ」と言って私の手首を掴んだまま、ベランダの窓まで引っ張っていく。私は訳が分からなくて、牧くんに『なに、するの?』なんて質問すると、牧くんはカーテンを勢いよく開けて、私の顎を掴むとそのまま私の顔を窓に向けさせる。窓ガラスに反射して見える自分の姿が目に入っていくせいで、余計に私の身体が熱くなっていくのが自分でもわかった。




「ちゃんと、自分の姿をよく見ていろ」


『な、なんで…ッ!』


「花子が俺の下僕だって、教えてやるよ」





私の耳元で囁きながら牧くんがそう言って、私の耳に舌を這わせていくと、耳に響く水音と耳に響いていく牧くんの吐息が、私の聴覚の全部が、牧くんに犯されているみたいだった。ゾクリと私の背中に何かが走っていくのと同時に、牧くんの手が私の手首から離れていって私の服の隙間に入っていくと、先程と同じように私の背中を指でなぞっていく。ゾクゾクと気持ちいい様なくすぐったいような感覚に、私は小さく甘い声を漏らしていって、嫌でも目に入ってくる窓ガラスに映った自分の姿が、私の羞恥心を高めていくみたいだった。牧くん、やめて、やめてよ。なんて思うのに、私の身体は喜んでるみたいに熱くなる。私は自分の姿なんか見たくなくて、顔を逸らそうとするのに、牧くんは許してくれないみたいに私の顎を掴んでいる手に力を込めていって「目を逸らすな。自分が誰で感じてるのか、ちゃんと自覚しろ」なんて吐息まじりの声で囁いた。牧くんの言葉に私の視界がじわりと滲んでいって、なんで、こんなことするの牧くん。あんなに、優しくしてくれたじゃない。なんて心の中で呟いても意味なくて、徐々に胸に移動していく牧くんの手に感じてるみたいに私は身体を震わせた。





「随分…敏感だな」


『い、やぁ…ッ…や、めて…』


「触って、欲しいんだろ?」


『や…だ、めぇ…っ!』





囁かれる言葉と共に牧くんの指が私の胸の突起を弄って、私の口からは応えるみたいに甘い声が漏れ出る。窓ガラス越しに牧くんの熱い瞳と目が合うと、私の身体はさらに熱くなっていくみたいだった。「見えるだろ?花子の厭らしい顔が」なんて笑みを含んだ声で牧くんが言って、私の羞恥心がどんどん高まっていくのと同時にドキドキ早くなっていく私の心臓の音が、煩いくらいに身体中に響いている気がした。牧くんの手に掴まれているせいで目を逸らすこともできない私は、恥ずかしさからギュッと目を強く瞑ると、牧くんの手が私の胸の突起から離れていって、するする下がっていく牧くんの手が私のスウェットのズボンに降りていく。抵抗する間もなく牧くんの指が下着を避けて私の秘部をなぞっていって、クチュッと下腹部から聞こえる水音に私の顔が、頭が、更に熱くなっていった。




「嫌がってた割には、随分とビシャビシャだな」


『だ、め…っ…あ、ああ』


「今すぐ、奥までぶち込んでやろうか?」


『やっ!や、だ…あッ』




「指じゃなくて、俺のを」なんて言いながら秘部をなぞっていた牧くんの指が私の膣内に埋め込まれて行って、私は驚いて思わず目を見開いた。瞬間に私の熱くなって溶けたような顔が目に入って、私は恥ずかしくて下唇をギュッと噛んだ。牧くんの指でどんどん熱くなっていく私の身体が、顔が、頭が、全部が見えているみたいで、恥ずかしいのに私の中は喜んでるみたいに牧くんの指をギュッと締め上げる。そのことに気づいたみたいに牧くんの指が私の良い所を擦っていって、下唇を噛んでいるはずなのに私の口からは甘い声がとめどなく漏れ出ていく。「どんどん、濡れてきてるぞ」と、吐息まじりに囁いてくる牧くんの掠れたような艶っぽい声が、私を追い詰めていくみたいに私の頭に響いていって、牧くんの指で擦られる私の良い所が溶けていくみたいに熱くなる。徐々に私の奥へ埋まっていく牧くんの指が、私の膣奥に到達してくるみたいに移動していって、それと同時にこの前の、牧くん自身が私の膣奥を突いてくる感覚を思い出すみたいに私の下腹部がビクッと揺れた。途端に「奥が、良くなってきたんだろ?」なんて笑みを含んだ声で囁いてくる牧くんの言葉に、図星をさされたみたいに私の顔と頭が余計に熱くなって、私は思わず『違う』なんて涙まじりに牧くんに訴える。牧くんは私の言葉なんか気にしてないみたいに、私の膣奥を指先でこねる様に擦り上げてきて、私の足が、立てない。とでも言うようにがくがく震えていった。瞬間に牧くんが「ちゃんと、立ってろよ」なんて意地悪そうに笑うのが窓ガラスに映って、私は無理、とでも言うように窓ガラス越しに牧くんに視線を送る。それでも止まらない牧くんの指が、私を限界に追い詰めるみたいに執拗に膣奥を擦っていって、時折指が出し入れされて私の良いところが擦られると、頭が真っ白になっていく感覚が私を襲っていく。




「崩れたら、一晩中犯すからな」




言われた言葉にゾクリと私の背中に何かが走っていって、私は震えるような足を踏ん張るみたいに力を入れるのに、追い詰めてくる牧くんの指で私の頭まで犯されていくみたいだった。







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