『ま、牧くん...あの...』


「なんだ?」


『近いって言うか...その...』


「嫌か?」


『嫌じゃないんだけど...』




エレベーターホールから牧くんの家に入った私達は、リビングのソファーに座ったのは良いものの、牧くんが私をずっと抱きしめるみたいに身体を寄せてくるもんだから、私はどう対応したら良いのかわからなくて眉を寄せていた。「けど、なんだ?」と小さく笑った牧くんが私に唇を寄せていって、私は牧くんの口づけを受け入れるみたいに瞼を閉じると、牧くんが私の頬に手を寄せる。そのまま牧くんの指が私の耳をなぞっていくと、私はピクッと身体を小さく揺らしながら牧くんの唇から離れた。「本当にどこでも感じる様になったのか?」なんて、牧くんが意地悪そうに笑うのが見えて、私の顔と頭が余計にカァっと熱くなる。別にどこでも感じると言う訳じゃないのに、牧くんが触れた部分からどんどん熱を帯びていく。牧くんに名前を呼ばれて私が瞼をあげると熱くなったような牧くんの瞳と目があって、何度か瞬きをして目を逸らした私を牧くんがお姫様抱っこをするみたいに抱き上げてくると同時に私は驚いて『ぎゃあ!』なんて可愛げのない声を上げた。





『牧くん!?』


「...ベッドへ行こうと思ってな』


『なんで!?』


「せっかく花子が大好き、と言ってくれたんだ。我慢できる訳ないだろ」


『だからって...自分で歩けるよ...』




『恥ずかしい』と、小さく呟いた私に、牧くんがちゅっと軽く口づけをして「これからもっと恥ずかしい事をするのに、か?」なんてクスッと笑う。私はそんな牧くんの言葉と仕草にむず痒いのと恥ずかしさで、どんどん縮こまっていくみたいだった。そのまま私が何も言えずにいると、牧くんの寝室に到着して、私は牧くんのベッドにそっとおろされる。そのまま私の上に覆い被さるみたいに牧くんが私の顔横に手を置いて、牧くんの顔が近づいてくるのと同時に私の全身が燃えるみたいに熱くなった。『待って』なんて牧くんの顔に手を当てた私に、牧くんが眉を少し寄せながら「我慢できないって、言っただろ」と、牧くんの顔に当てた私の手を掴んで、そのまま私の手が牧くんの手によってベッドに押し付けられる。私は眉を寄せて牧くんを見つめて、牧くんが顔を近づけてくるとまるで待ってたみたいに牧くんの唇を受け入れた。いつものように牧くんの舌が私の唇を数回なぞっていって、私の口内に入り込む、そのまま絡め取られていく私の舌が、頭まで溶けるみたいに熱くなっていった。





『んっ、んぅ...ふっ...』


「...好きだ...花子...」


『わ、たしも...っ...んっ...』




どんどん深くなっていく牧くんの口づけが、私の身体を余計に熱くさせていって、口の隙間から漏れ出ていく私の甘い声が、私の視界をジワリと濡らす。牧くんの手が私の洋服の隙間からスルリと胸へと移動していって、下着を避けて私の胸の突起が摘まれる。そのままどんどん強くなっていく牧くんの指の圧が、私の背中にゾクリと何かを走らせていって、牧くんの唇が私の唇から離れると私の口からは止めどなく甘い声が漏れ出ていった。「強くされるのが、好きなんだよな?」なんて言いながら、牧くんが私の首に顔を近づけていって、ヌルリと牧くんの熱い舌が私の首に触れてくる。そのままちゅっと小さなリップ音が響いていって、私はいつも以上に甲高い声をあげた。




「なんだか、今日は凄いな」


『やぁ、ま…きく…ッ...』


「嫌?…それじゃあ…濡れて無かったら、やめてやろうか」


『…え?やっ、待って…ッ!』




最初、牧くんが何を言っているのか分からなかった私は、するりと胸の突起から下腹部に移動した牧くんの手によって意味が分かった様に声を荒げる。そんな、確認するみたいな言い方をしなくたって…。なんて思いながら、私は牧くんの手を止めようと手に力を込めるけど、ベッドに押さえつけられた私の手が牧くんの手の力にかなうわけなくて、牧くんの指がズボンと下着を避けて私の秘部に優しく触れた。牧くんの指が私の秘部に触れた瞬間にクチュッと卑猥な水音が響いて、私は恥ずかしくて目をギュッと瞑りながら下唇を噛んだ。牧くんが「こんなに濡らしてるのに、嫌?」と、意地悪そうに笑った声が聞こえて、私の羞恥心がさらに高まっていくのに、私の秘部は牧くんの指でなぞられる度に水音が増していくみたいだった。





『意地悪...っ...』


「花子が嫌なんて言うからだろ」


『だ、って...あっ...』


「それに、花子が可愛いから余計にいじめたくなる」






牧くんがそう言って、またちゅっと私の首筋にキスをして私ベッドに押さえつけられたの手から牧くんの手が離れていく。そのままズボンと下着が牧くんの手によって器用に脱がされていって、牧くんの顔が徐々に私の下腹部におりていった。『待って』なんて私の言葉が聞こえてないみたいに、私の膝裏が持たれて足を開かされると、私の顔からは火が出そうなほど熱くなっていって、私の秘部に牧くんの吐息がかかる。牧くんが私の秘部を舐めてくる、と期待してるみたいに私の心臓がドキドキと早くなっていって瞑った瞼にさらにギュッと力を込めていく。だけど、いつまで経っても牧くんが何かしてくることはなくて、私がおずおずと瞼をあげると、下腹部からこちらを見つめてる様な牧くんの熱い瞳と目があった。






Back