「中、締まってきたぞ」


『やぁっ、あ、ああッ...!』




「イきそうか?」なんて牧くんが私の耳に舌を這わせて、膣内にある指が速度を早めていく。その瞬間にプルルルルっと無機質の電子音が鳴り響いて、私は驚いて身体をビクつかせる。「俺か...」と、牧くんがため息まじりに言いながら私の膣内から指を引き抜いていくのと同時に私の顎から牧くんの手が離れていった。ホッとしながら、私はドキドキ早まってく自分の胸に手を当てて、ゴクリと唾を飲み込むと「俺だ、どうかしたのか?」なんて言いながら牧くんがスマホを耳に当てたのが視界の隅で見えると、私はそのまま呼吸を整えながら牧くんの様子を伺うみたいに視線を送る。「...わかった。すぐ行く」と、電話してきた誰かにそう言って、牧くんは私をチラリと見つめてきた。




『ま、牧くん...?』


「悪い、今から会社に行ってくる」




「続きはまた今度だな」なんて意地悪そうに笑って、牧くんが私の膣にあったであろう指をペロリとひと舐めするのが嫌でも視界に入る。私は牧くんのそんな行動に顔がカッと熱くなっていくのと同時に、心臓が壊れるくらいにドキドキしてしまって、胸元にあった自分の手をギュッと強く握りしめる。そのまま牧くんが「ご飯は外で食べてくるから、先に休んでろ」なんて言ってすぐに自分の寝室に向かっていって、私は思わずその場にペタリと座り込んだ。嫌だなんて言いながら、私は牧くんがしてくる事を拒否できないのは、やっぱり牧くんへの気持ちがあるからなんだろうか。牧くんは、どうしてこんな事するんだろう。強引にしてくる癖に優しいような牧くんの考えていることが分からないくて、私は座り込んだままボーッとしているとスーツに着替えた牧くんが、リビングのドアの隙間から顔を出して「いってくる。戸締り、ちゃんとしろよ」なんて言うもんだから『う、ん。いってらっしゃい...気をつけてね』と、さっきあった出来事が嘘みたいに私は普通に返してしまう。牧くんが家を出ていってからもなんだかその場から私は動けなくて、火照るような身体を無理やり落ち着けるみたいに、私は深く息を吸い込んだ。














ご飯を食べ終わって、軽く部屋の片付けをして、お風呂に入って、髪の毛を乾かして、なんて事をしていたら、いつの間にか日付が変わっていた。だけど、牧くんが帰ってくる様子はなくて、私はそのまま自分のベッドに潜り込んだ。私は、牧くんが、好きなんだろうか。でも、好きだからなんなの?牧くんは私のこと、下僕、としか思ってないのに。牧くんにまた恋をしたって、結局雇用という紙切れ1枚でしか繋がってない私と牧くんは恋人になんかなれない。高校の頃も、友達だったとも言えないし、同じクラスのただの同級生なだけだ。私が好きだったとしても、片想いで終わってしまう。布団の中でため息を吐いて、私は牧くんがなんでこんな事するのか考えてみたけど、性欲の吐口。という言葉が頭に浮かんで、私は浮かんだ言葉を拭い去るみたいにうつ伏せになって枕に顔を埋める。牧くんは強引で、だけど触れる指は優しくて、キスだって強引なくせにどこか優しい。私は牧くんとの行為を思い浮かべながら、牧くんのことを思い出していくのと同時に、どんどん身体が熱くなっていった。さっき、イきそうだったのにイけなかったから。だから、こんなに体が火照ってしまうんだ。なんて自分に言い訳じみた事を言い聞かせながら、するりと自分の秘部に手を伸ばす。下着を避けて触れた自分の秘部は、牧くんのことを思い出してたせいなのか少しだけ湿っていて、牧くんが夕方してたみたいに私は自分の秘部に指を這わせていく。牧くんの指はもっと太くて、1本でも私の秘部の入り口が隠れちゃうくらいあって、指の温度も、私の指の温度よりも少し高くて熱いくらい。私の秘部の突起に触れる時、牧くんの指はもっと強く押してくる。牧くんにされる事を思い出すごとに、溢れていく私の愛液が私の指に絡み付いていって、私の身体はどんどん熱くなっていく。牧くんに言われる厭らしい言葉を思い出すみたいに、頭の中に牧くんとしてる時のことを思い浮かべていって、なんでこんな事、してるんだろう。って思うのに、私は指を止められない。徐々に秘部の入り口を指でなぞって、膣内に指を埋めていくのと同時に、1本じゃ足りないって思った。牧くんの指は1本でも、もっと私の膣内がいっぱいになるくらいに...なんて思いながら自分の膣内に2本目の指を埋めていく。牧くんが擦ってくる私の良いところを思い出すみたいに指を進めていくと、甘い声が私の口から小さく漏れた。もっと、奥...もっと。どんどん指を奥に押し進めていくのに、私の指の長さじゃどうしても牧くんがいじってくる所には届かなくて、私はもどかしいみたいに『もっと...』なんて声を漏らしていく。馬鹿みたいな事してるって、わかってるのに止まらない私の指が、漏れてく私の甘い声が、頭の中で思い出していく牧くんの顔が、声が、吐息が、私の身体を余計に熱くさせていって、1人でしてるときにこんなに声なんか出たことないのに、私は自分でしてる行為に夢中になるみたいに指を動かしていった。奥まで届かないもどかしさがあるのに、自分の良いところを擦るとどんどん限界にのぼり詰めてくみたいに膣内が蠢いて、自分の指をギュッと締め付けていく。力を込めるように噛んだ枕が、どんどん私の唾液で濡れていって、そのまま指で良いところを擦っていくと、頭の中が真っ白になるのと同時に私は絶頂を迎えていった。




『んっ...、ふぅ...ッ』




絶頂を迎えたはずなのに、どこか物足りなさを覚えながら私はひくついてく膣内を指で擦り上げていく。その瞬間に、ベットが軋む音が聞こえて、私がドキッとしながら指の動きを止めると「何してるんだ?」なんて牧くんの声が頭上から聞こえた。驚いた拍子に見開いた目が泳いで、私が枕から口を離すと牧くんの手が、私の顔横に置かれる。え...?牧くん?いつから、居たの?いつ、入ってきたの?ドキドキと早くなってく煩いくらいの心臓の音が身体中に響いてるみたいで、私は思わずゴクリと唾を飲み込む。




「熱が上がってないか心配で見にきたのに...花子、1人で何...してたんだ?」


『えっ、あっ...なっ...何も...っ!』



バサッと勢いよくはぎ取られた布団せいで、私は固まったみたいに動けなくなる。未だに膣内にある指も抜けないまま、私は『見ないで』なんて小さく呟いて、恥ずかしさからギュッと目を強く瞑った。牧くんは何も言わないまま私のスウェットのズボンに手をかけると下着ごと一気におろしていって、それと同時に私の顔が熱くなっていく。恥ずかしくて、消えちゃいたかった。牧くんには嫌、やめて、なんて言いながら、私は頭の中で牧くんを想像して、1人でこんな事して、止めなきゃいけないのに、止まらなかった。下着ごと下ろされたせいで牧くんに私がしてたこと全部が見られていくみたいで、私の羞恥心はどんどん高まっていくのと同時に牧くんが私の指が入ってる秘部を指でなぞって「すごい事になってるな」なんて言って小さく笑った声が頭上で聞こえた。




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