お互いにシャワーを浴びて、ベッドに入るとなんだか俺はドキドキしていた。田中はセックスしたらどんな顔して俺を見るんだろうなんて、膨らんでく想像がより俺の心拍数を上げていく。キスしようとして田中に顔を近づけると、俺の唇に田中の手が当たる。なんだ?と思っていたら『キスはしないで』なんて暗くて見えないはずなのに、赤らんだ顔をしているであろう田中に俺の胸は更にドキドキしていた。田中って、キスを大事にする子なんだ。って思った。それと同時に熱くなった俺の体が、田中のせいでどんどん熱くなっていくのがわかって、俺の手で乱れてく田中がすごく可愛いと思った。普段からは想像できない田中の姿が俺をより興奮させて、だけど時折素直になる田中に、俺はギャップを感じてまた心拍数は高まっていく。あれ、田中ってこんなに可愛かったっけ。やばい、俺、田中の事...。なんて俺の事好きにならない?って田中に言ったくせに、俺は取り返しがつかなくなりそうなほど、田中にドキドキして、可愛く見えてしょうがない。それに、引くほど相性が良すぎて、俺の頭はクラクラするみたいに気持ちよかった。時折意識を失う田中に声をかけながら俺は振動を送っていくのに、意識が朦朧としている田中はとろけた顔をして俺の首に腕を巻きつける。本当、やばい。キスできない状況ってこんなにキツいのか。なんて思いながら、ベッドに置いた手に力を込めると、俺の首に巻きついた田中が俺の首に吸い付いてきて、俺は驚いて振動をピタリと止める。






「花子、それやばいから...やめて欲しい...」






『んっ...して...』







「ん?なに?」







『キス、して...』







言われて硬直する俺に対して、田中はまた『キスして』なんて言いながら俺の首に舌を這わせるのと同時にちゅっと吸い付いたせいで、俺の自身がピクリと反応する。あー、なんだこの拷問。多分田中はこんなこと覚えてないだろう。普段は素直じゃないくせに、セックスするとこうも素直になってしまうのか、田中は。思いながら振動を再開すると、田中がギュッと俺にしがみついたのと同時に、耳元で『キスしてよ』なんて甘い声とともに俺に囁く。







「ッ...花子、俺が誰かわかる?」






『わ、かって...あっ、ああ』






「じゃあ、キスできない理由もわかるよね」






『や、わか...っ、ない...よ、あ、ああ』







「ずるいな、花子は...」







くっそ、なんて言った俺は田中の耳に唇を寄せて「花子の意識がはっきりしたら、キス、しようか」って舌を這わせながら囁くと、田中は首を縦に振って『する』なんて可愛く呟いた。なんだよ、本当...調子狂うな...。って思いながら、俺は田中の腰を持って、最奥を突き上げるように振動させる。それと同時に仰け反った田中が俺自身を痛いくらい締め上げて、絶頂を知らせていく。「痙攣しちゃってるね...気持ちいい?」なんて俺の質問に素直に『気持ちいい』って答える田中にまたドキッとして、俺は2度目の白濁を吐き出すまで、田中に振動を送り続けた。





















『仙道が女ったらしなナルシストってだけじゃなくて、絶倫、体力お化けってことに気づいたの!私が彼女だったら即死してるよ多分。だから今回限りで良かったなって思った』







意識を手放した田中を起こした後、「俺の事好きになった?」なんて質問に田中が『ならない』なんて言った後に今回限りでよかったなんて言うもんだから、俺はヤレヤレ、みたいに目を瞑って眉を上げた。セックスの最中にキスしてって言ったり、俺にキス我慢させといてよくいうよ。なんて思ったら少し悔しくて、田中の唇を強引に奪った。静かな部屋にリップ音が響いて、俺が田中の唇に吸い付くようにちゅうって音を立てると『やだっ!』なんて声とともに俺の肩が押されて、田中の唇と俺の唇が離れていく。田中は覚えてないかもしれないけど、これでも俺、ちゃんと我慢したんだよ?意識がはっきりしてるときにキスしようって、田中にちゃんと確認とったよ?なんて言えるわけもない俺は笑って「キスしないセックスなんて本当のセックスじゃない」なんて言って田中の髪の毛にサラリと触れた。








キスを大事にしてる君
(もっとキス、させてよ)




「俺が田中にハマっちゃいそうなんだ。だから、俺のこと好きになってよ」



『!!!馬鹿じゃないの!?!?』





俺の言葉に動揺したように声を荒げた田中が顔を赤らめて、俺はまた心拍数が上がっていく。あーあ、これは本当にハマったな。と思ったのと同時に、田中を見つめて俺はニコリと微笑みながら、田中、本当に俺の事好きになって。なんて心の中で呟いて、田中の髪の毛に口付けを落とした。













Back