『仙道...?』





「ん?」





『この体制は、なにかな?』






「ん?わかんない?」





そうニコニコした仙道の顔が私の顔の目の前にあるこの状況はなんなんだ。と、思ったのがお昼休みの後半。購買に行ってから、仙道が誰も来ないと言った多目的準備室。もはや資料室になっている一室の死角には、まるで誰かが住んでるみたいに座布団なんかが置いてあって、お腹が膨れた私たちは、のどかなひと時を過ごしていた。はずだったのに『これからなにするの?』なんて何も考えずに呟いた私の一言で一変する。仙道が「本当に分かんないの?」なんて言って私を壁に追いやって、土曜の夜みたいに私は壁と仙道に挟まれた。ちょっと待て、何よ、待ってましたと言わんばかりのその表情は。こいつ本当に学校でそう言うことをするつもりなの?なんて眉を寄せた私に、仙道は笑って「キス、させてよ田中」なんてもう耳にタコができるような台詞を吐く。






『まだそんなこと言ってんの?』







「田中がキスさせてくれない限り言い続けるかもね」






『本当ばか...』






はぁってため息をついた私は、しつこ過ぎる仙道の一言に、少し考えるように目を瞑る。覚悟を決めて1回キスしたら、仙道は本当にもう言わなくなるんだろうか。でもキスって恋人としたい。けれど、これから先ずっと仙道にキスさせてよ、なんて言われ続けたら変な噂が流れて今後の高校生活は彼氏ができないかもしれない。それは困る。非常に困る。不感症じゃないってわかったんだから、せめて彼氏欲しい。とかなんとか考えて私は『1回だけならいいよ』なんて目蓋を開けて仙道を見つめた。「1回かー」なんて言いながら、仙道は小さく笑って私の顔横に置いた手を私の頬に移動させる。もう仙道に壁ドンされてからドキドキが止まらなかった私の心臓はさらに早くなって、覚悟を決めたみたいにまた目をギュッと瞑った。それと同時に仙道が「じゃあキスするね」なんて恥ずかしいこと言うもんだから、私は『いいから、早く』と、この状態を早く終わらせたくて呟く。その瞬間に私の唇に仙道の唇が優しく触れる。私はもうそれだけで、口から心臓が飛び出ちゃうくらいドキドキしていた。仙道のことが好きと言うわけではないのに、こんな事されたらドキドキもするよね?普通の子はこんな状況にドキドキしない子はいないでしょ?なんてグルグル回る頭の考えをかき消すみたいに、仙道の唇が離れて、離れる瞬間にちゅっと小さなリップ音が静かな室内に響いて消えた。







『も、もういいでしょ...』






「ん?本当...馬鹿だなぁ田中は。俺の1回分のキス舐めんなよ」






『は?え、ちょっ...っ!』






言われた瞬間何が起こったかわからなかった。仙道の口がまた私の口を塞いで、喋っている合間だったせいで開いた口の中に仙道の舌がヌルリと入っていく。私は驚いたのと同時にやめてほしくて仙道のワイシャツをギュッと握りしめる。絡んだ舌が、私の舌を味わうみたいに蠢いて、今まで感じたことのないような感覚が私を包む。何、これ、知らない、何よ、こんなキス知らない。なんて思いながら、私の身体は熱くなって行って、私はさらに仙道のワイシャツを握る手に力を込めた。仙道が角度を変えてまた口づけを落として、そのせいで開いた隙間から私の甘い声が漏れ出る。頭が真っ白になって溶けてしまいそうで、私は怖くなって足をバタつかせた。仙道は頬に触れていない方の手で、私の太ももに手を這わせながら、私の舌をちゅうっと絡めとるみたいに吸い上げる。どっちに意識を移したらいいかわからない私の頭はもうグチャグチャになったみたいに、何も考えられなくなっていく。







『んっ、ん...ぁっ、んぅ...ハッ...』







「すごいな...キスだけで身体震わしちゃってさ」






言いながら仙道が太ももにある指が、私のスカートの中を弄るみたいに移動して、私は拒否するみたいに『いや!』なんて言って抵抗しようと試みる。だって絶対濡れてるし、キスだけで濡れるなんて今までなかったし、最悪。濡れてることに気づかれたくない私は仙道のワイシャツから手を離して、スカートをギュッと押さえるように手を移動させた。だけどその前に仙道の指が既に私の秘部に到達していて、時既に遅しってやつだ。その瞬間に下着を避けて触れた仙道の指が、ヌルって私の秘部を擦ったのがわかって、恥ずかしさとともに私の顔は熱くなる。






「あーあ、ビチョビチョじゃん」






言われた言葉に顔が、身体がさらに熱くなったみたいだった。恥ずかしさもそうだけど、学校でこんな事したくなくて、私は『待って、やめて』なんて首を左右に振る。だけど仙道の指は止まることなんかなくて、指に私の愛液を絡めるみたいに秘部の入り口を指で何度か往復しながら、仙道はフッと小さく笑った。














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