その後は、もうめちゃくちゃだった。
仙道の言葉通り本当にこれからって感じで、色んな角度から私をどんどん追い詰めていって、私は仙道の言いなりになったみたいに身体を委ねていく。ふわふわ気持ちいい感覚と、時々仙道が私の頬をペチペチ叩きながら「大丈夫?飛んだ?」なんて問いかけながら私に快楽を送ってくることしかほぼ記憶に無くて、いつの間にか仙道の上にまたがっていた時には、もう私の中は奥までトロトロになったみたいに、奥を突かれても変ともなにも思うことはなかった。ただ、気持ち良いという感覚だけが私を支配しているみたいで、仙道に掴まれた腰が、下から突き上げてくるような仙道の振動の全部が気持ち良い。気持ちいいのに、私の瞳からは涙が止まらなくて、ポタポタと仙道のお腹に水たまりを作っていくみたいにこぼれ落ちていった。







「花子?どーした?」







『あっ、あ、もう、やだああ』







「...なにが、嫌なの?」







『も、う...きもち、よく、しないでえ...あッ!』






「はは、馬鹿だなぁ。」








「そんなこと言われたらもっとしたくなっちゃうじゃん」なんて信じられない台詞を吐きながら、仙道は私の腰を掴んでいた手を離して、私の腕を引く。そのせいで倒れた私の上半身が仙道の上に重なって、そのまま痛いくらいにギュッと仙道の腕で抱きしめられる。更に力が抜けたみたいな私に、仙道が待ってました!と言わんばかりに振動を開始して、また目眩に似たような感覚が私を絶頂へと導いていく。







「花子、可愛いよ」







『い、やあああ!だめえ、も、あ、あ!ああ』







「うん...気持ちいいね」







甘く囁くような仙道の声が耳元で聞こえたと思ったら耳に仙道の舌がヌルリと這って、そのまま私は絶頂を迎える。だけど止まらない振動が、仙道の限界を知らせるみたいに激しくなって、数回腰を打ち付けた後、仙道自身がさらに膨張して、コンドーム越しに白濁が吐き出されたのを感じた。もう、そのまま頭が馬鹿になって死ぬのかと思うくらい気持ち良くて、仙道の振動に私は仰け反ったけど、背中に回った仙道の腕がそれを阻止するみたいにギュッと抱きしめてきて、私は応えるみたいに仙道の肩をぎゅうって掴む。仙道はそんな私の反応に驚いたような声を出して、すぐに自身を抜いたかと思えば「あと1回しよう」っていつの間にか硬さを取り戻した仙道自身があてがわれて、私は拒否することもできずに、そのまま仙道自身を受け入れるしかなかった。





















「田中、」






『ん...』





聞き慣れたような仙道の声と共に、体が揺さぶられて私は瞼を持ち上げた。いつの間にか寝ていたのか、それとも気を失っていたのか。わからないけど意識を手放してたんだ。なんて思ったのも束の間、まだ私と仙道は生まれたままの姿で、寝ぼけた思考がカッと覚醒するみたいに布団を自分の体にバサリと掛けた。今更ながら意識し始めた私は、なんて事してしまったんだ...なんて頭を抱える。そんな私に気づいたのか、仙道が一言「すげー、良かったよ」なんて笑っていうもんだから、私は仙道から視線を逸らして『うん...』なんて小さく呟く。








「俺らさ、身体の相性良すぎるね」







『そう、かもね...死んじゃうかと思った。』







「あはは、本当田中は馬鹿だな。死なないよあんな程度じゃ」







『馬鹿じゃないよ!だって、あんな風になったの初めてだったし、もう、ふわってなってガガってなって、ボカーンって感じだった!!!』








私の意味わからない説明に仙道がまた笑って、私の髪の毛をサラリと指で触りながら「田中」って私の名前を呼んだ。いつの間にか苗字呼びに戻っている事がなんだか悲しいような、寂しいような。そんな事思ってると仙道が急に「俺のこと好きになった?」なんて言って眉を寄せて笑う。一瞬戸惑いを見せた私だけど、これが好きって気持ちなのか、気持ちよくしてもらったから感じる感情なのかわからなくて、私はうーん。と少し考えた真似をする。







『ならない。てかもう、仙道とやらないって決めた。』






「えー?気持ち良かったんでしょ?」






『そう!だけど!私わかったの』






「何が?」







『仙道が女ったらしなナルシストってだけじゃなくて、絶倫、体力お化けってことに気づいたの!私が彼女だったら即死してるよ多分。だから今回限りで良かったなって思った』







私の返答に仙道はヤレヤレ、みたいに目を瞑って眉を上げた。何よ、その顔。なんて思ったのも束の間、仙道が急に私の唇を奪って、静かな部屋にリップ音が響く。一瞬、何が起こったのか分からなかったけど、一気に顔が熱くなって、仙道が触れた唇がちゅうっと仙道の唇に引っ張られる。『やだっ!』なんて言って私は仙道の肩を押すと、仙道は笑って「キスしないセックスなんて本当のセックスじゃない」とか哲学めいた事を言って私の髪をまたサラリと触った。








不感症じゃない私
(教えてくれたのは、女ったらしのナルシスト)





「次はキスしながら、セックスしようよ」



『も、もうしないんだってば!』



「キスしながらしたら、田中俺のこと好きになるよ、絶対」



『絶対、なんかないんでしょ』



「実感したんじゃないの?もう一回、実感する?」




『やめて!それより、好きになって欲しくないんじゃないの?』



「別にそんな事言ってないよ。好きにならない?って聞いただけ」



『あんたさ...女ったらしなナルシストって言われた事ムカついてるだけでしょ...』



「あはは、それもあるけど」



『けど?』



「俺が田中にハマっちゃいそうなんだ。だから、俺のこと好きになってよ」



『!!!馬鹿じゃないの!?!?』










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