学校の帰り道、最近やたらと視界に入ってくるやつがいる(ヘアバンドしてる、少しロン毛のデカい男)






帰り道に私は必ずコンビニへと足を運ぶのだが、なぜだか必ず駅付近まで視界に入ってくる男がいるのだ(気のせい?)









「ありがとうございましたー」






コンビニを出ると数秒後に例の男が出てくる







(今日は勇気を出して…!)






『あのっ!』






勇気を出して立ち止まって大声を出してみる、するとジャリッと小石の踏む音がして







『ついてこないでください!』







自意識過剰な発言をしてるのはわかってる、だけどなぜかこの男が気になるのだ







「あっ、」







『じゃあっ!』






そう言って立ち去って急いで駅まで走った(胸がドキドキしてる)







『ハァッ…ハァッ…』







膝に手を当てて息を整えていると肩に手を置かれてびくりと硬直する







「足、はやいんすね」







『えっ…?』







振り返るとあの男の姿いつも頭から被ってるヘアバンドは首に垂れ下がっていて、走って来たはずなのに汗ひとつかいてないようだった







『やっ…!』







バシッと肩にある手を払いのけると少し眉を寄せながら笑う男の顔をみてなぜか胸が痛んだ







「そうっすよね、なんかごめん」







『あの…なんでついて来てたんですか』







そう聞くと男は頭をかきながら私から視線をそらす







「嘘とか思われるかもしれないんすけど、その…」







『なんですか?』







「一目惚れ、なんすよね」







『え…?』






「名前教えてもらっていいっすか?」





動かない唇、熱くなる顔







「俺、海南大附属高校一年清田信長っす」






『と!年下!?』