「そんなん、初対面で乳当てた時から引いとるわ」
『ハツ...ひど、くない?」
「やからこれ以上引かれへんわ、言うみ?」
俺がそう言うと、花子ちゃんがベッドに正座して自分の膝前で三つ指を作る。いやいや、そっちの方が引くんやけど...なんて思ったのも束の間、花子ちゃんが頭を下げて『初めてですので優しくしてください』とか笑みを含んだ声でそう言った。
「なんやそれ、時代劇やないけ」
『あはは、言うの恥ずかしいから何かの役に入らないと言えなくて...』
頭を上げて照れ臭そうにそう言った花子ちゃんに、俺はハァってわざとらしくデカいため息をついてから「ほんまに...初めてやったら俺なんかやめとった方がええわ」って俺は頭をガシガシとかく。そうだ。俺は花子ちゃんが好きでもなんでもない。ましてや顔が淳子に似てるだけって事で少し興味を持ったのと、花子ちゃんが強引だからなんて理由でホテルまで来たアホな男だ。そんな奴に女性の初めてをあげて良いわけがない。
『私は南さんが良かっ...』
「初めて会うたくせに俺の何を知っとるん?」
「軽々しく南さんが良いとか、言うもんちゃうで」なんて花子ちゃんの言葉に被せるように呟いて、俺は花子ちゃんの両手首を掴んで押し倒した。瞬間、花子ちゃんが驚いたような顔で俺を見つめる。
『南さ、なに...』
「男っちゅーんはな、好きでもなくても抱けるもんやで」
言ってから俺の自身をズボン越しに花子ちゃんの秘部に擦り付けると、花子ちゃんは顔を真っ赤にしながら下腹部に視線を落とした。
「いや、抵抗せえへんのかい...」
『え?え、だって...』
「だってもクソもあるわけないやろ、なんでこないな状況でちょっと興奮した顔してんねん。アホか」
『だ、から!それは...』
『南さんが良いから』なんて意味深なことを呟いて花子ちゃんは赤い顔をさらに赤らめる。俺は諦めたように花子ちゃんの両手首から手を離して「なんか花子ちゃんってズレてへん?」って手で自分の首裏を摩った。
『...しないの?』
「せえへんわ...初めては大切にせえよ」
花子ちゃんに視線を移すと、上半身だけ起こすようにして起き上がって俺に視線を移す。『でも、それ...』なんて言って俺自身に指を向けると、俺は少しだけ口を尖らせて「こんなん、そのうちおさまるわ」なんて言ってまたため息をついた。