『本当にするの?』








「花子ちゃんがしたいって言ったんやろ」








ホテルの一室に入ってドサっと花子ちゃんがベッドに腰を下ろして、俺を見上げた。なんやその悩ましげな顔は、俺が襲ってるみたいやんか。なんて思いながらネクタイを緩めると『ドキドキするね』なんて言いながら俺をベッドへと引き寄せる。








「それも、演技なん?」







『違うし、てかそう言うのもーいいから』








『黙って』なんて言いながら花子ちゃんが俺の唇に唇を押し当てた。慣れてるのか慣れてないのかよくわからない行動になんだか俺は少し熱くなって、少し緩んだ花子ちゃんの口に舌をヌルリと侵入させる。








『んっ、んぅ...ちょ、ストップ』








「なんや」








俺の肩を押して離れた花子ちゃんが唇に自分の手の甲を当てながら『うまいじゃん』って俺から目を逸らした。はあ?可愛いとこあるやん。演技かもしれへんけど。なんて思いながら俺は花子ちゃんの手を掴んで唇から手をどかして、露わになった唇に再び吸い付く。








『んぁっ...待ってってば...んん』








時折漏れる花子ちゃんの言葉に俺自身が反応して少し固くなったけど誤魔化すみたいに俺は花子ちゃんの背中に手を回して撫でる様に指を這わせる。掴んでいた花子ちゃんの手からだんだんと力が抜けていったのがわかって、唇を離して「敏感やな」って呟けば花子ちゃんの顔が一気に赤くなった。








『意地悪だね、南さんは』









「花子ちゃんは、意外と可愛いやん」









俺の言葉にまた赤くなるみたいな顔がなんだか可愛くて、俺は花子ちゃんをベッドへと押し倒す。恥ずかしそうに視線を横に向けたと同時に、露わになった首元に舌を這わせると花子ちゃんが小さく甘い声を漏らした。










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