正直ムカついた。社会の汚さを知らない花子ちゃんを、純粋っぽく見せている顔の裏には、何があるのか知りたくて、俺は少し興味を持ったみたいに視線を花子ちゃんに向けると目があって、花子ちゃんは『米?』とかなんとか自分の髪の毛に視線を向ける。
「なんで米なん?」
『何かついてるのかと思って、米かなって』
「突飛やなぁ〜!」
わけわからん。それとも最近の子はみんなこんな感じなんやろうか、さすがに俺も老けたのか?とかなんとか思ってたら花子ちゃんがあははってまた笑って俺のことを指差して『南さんはスポーツマン?』って急に真顔で呟いた。(あかん、ほんまについていけへん。俺とは全く異なる人種や)
「なんで急にそう思ったん?」
『南さん以外は、肩幅狭いから?』
「確かに〜!なんかガッチリしてない?」
「脱いだらすごそうー!」
「俺が筋肉見せるのは彼女限定やけど、君らなら特別見せたろか?」
「なーんて...」自分で言って恥ずかしくて笑っていたらやけに花子ちゃんが食いついたみたいに机をバン!!!と叩いて立ち上がる。
『見たい!上腕二頭筋、胸筋、腹筋、見たいです!』
「え?」
『今から付き合うので!結婚を前提に!』
「花子ちゃん、今のは冗談やから」
なんで言えば花子ちゃんはしゅんとした顔して椅子に腰を戻した。なんやこいつ、ほんまにわけわからん。俺がついていけへんとか、ほんまこいつ変なやつ。どっかのお嬢様か?筋肉フェチ?それともほんまに頭おかしいんか?なんて思いながら花子ちゃんをじーっと観察していく。