Chapter 5




 ヴォルガ河中洲におけるフィアナ騎士団とカルヴィニア公国軍の衝突は戦力が拮抗である上に互いに一歩も引かず、酸鼻と凄惨を極めたまま猶も持続する。砲弾は込められずとも空砲が大気を震わせ、その振動が伝わる河底で泥が踊った。
 シルザ側の城壁を爆破した公国軍の小隊がその一帯を占拠し騎士団の後方より銃撃を仕掛けようとするが、それを傭兵隊が薙ぎ払う。

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