草木も眠る丑三つ時。蝋燭の明かりがちらちらと揺れる。茶州府は若い州牧二人を筆頭に相変わらず絶賛寝不足中!だった。
「おーい、いい加減寝ろよー」
「そういうアンタが寝なよー」
「いや、おまえ鏡見た?立派なクマさんが二匹も」
「そっくりそのまま返すわ」
「女の子がそんなもん飼ってちゃ駄目だろ」
「秀麗ちゃんに言ってあげて」
「いやいやいや、ほら、姫さんはまだ若いし?疲れもすぐ取れると思うけどおまえはもうすぐオバへぶっ」
「アンタは今私を馬鹿にすると同時に自分をおとしめた!いい年こいたオッサンが髭剃ってこいよ!」
「違っ、俺のは大人の渋みだから!」
「‥‥‥まあ確かに秀麗ちゃんのような全盛期は過ぎたとしても、」
「しても?」
「ホラ、私には大人の色気ってもんが」
「ぷぶっ、いろっ、」
アッハッハ、アリエネー!とお腹を抱えて大爆笑する燕青は彼女がすっと目を細めたのに気がつかなかった。
「せーらーん、燕青が老け顔だって馬鹿にしてるよー」
「アハハって俺を殺す気か!?」
夜は馬鹿に構わずどんどん更けていく。
丑三つ時の馬鹿達
「なんで私までゲンコツ!?」
「うるさかったんだろ、俺達‥‥‥」
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