12
「明後日って……!?」
「しょうがないじゃん。坂城に電話するの躊躇したんだよ?」
仮にも元カレなんだからさ、と恨めしそうに言う。
「う、……だよ、な……」
確かに気まずい。
彼女から電話が来た時、驚いたし、気まずかった。
しかし、彼女は、そんな素振りを一切見せなかった。
二年前となんら変わりはないだろう、と思っていたが、嘘が得意になったらしい。
……いや、女性は嘘が得意だと聞く。性別として、元からか。
「まあ、良いんだけど。付き合ってくれなきゃ困る」
「ああ……出来れば、修羅場は勘弁だ……」
「大丈夫。さすがに、男友達も彼女の前であからさまに、嫌な顔しないでしょ」
まあ……そうだと良いが……。
心配が杞憂で終われば良い、と本気で思った。
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