坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




  04



「ふぅ……」


家に帰って、すぐ風呂に入った。久しぶりに部活もせず、早めに帰って、家でゆっくりするかもしれない。平野の気遣いに感謝だ。


「……、」


シン、としている我が家。


ソファーに寝そべっていると、そのまま寝てしまいそうだ。


ああ……髪を乾かさないと……風邪を引いてしまう……。


だが、どんどん瞼は落ちていってしまう。ダメだ……いま寝ると夜が……。



プルプルプルプル……



思考がフェードアウトしそうになった時、家の電話が鳴り響いた。


イラッとくる電子音。


「……セールスだったら、速攻切る」


ボソッと呟いて重い体を引きずり、電話に出る。


「――……はい、坂城です」


電話をかけてきたのは、意外な人物だとは、知らず。






『やほ。わたし、覚えてる? 小田真姫です』







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