坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




  02



ふっと一流も横を見る。


そこには、口元を押さえて目が笑っている中学生くらいの少女がいた。


ボサボサのショートカット。

服装は制服。ブレザーで赤の作りリボン、スカートはピンクのチェックと可愛らしい。


――…口元を隠しきれていない少女。なんだか…すごくニヤニヤしてるような気がす
る…。


一流が少女を見て反応した。


「あれ…おまっ!?」
「知り合いか?」


一流は驚き、言葉を失う。


「あ、うちのことは気にしないで続けてくださいっ!」


少女は、えへー☆と笑う。


「えへー☆じゃねえよ!なんでお前がいるんだよっ!秋穂!!」


「なんでって・・・そんなのどうだっていいんですよ!!あえて言うなら(薔薇)愛のパワー☆」


一流、坂城はイラっと来た。


質問に答えてないし、


大体"愛のパワー☆"とか果てしなくウザイ。


ジッと秋穂を見ていた坂城が口を開く。


「とりあえず名前を聞こう」


「青葉学園中等部2年3組澤北秋穂です!!特技料理、空気読めない14歳!!好きな食べ物は「わかった、もういい」あ、はい、了解しました^^」


秋穂はマシンガンのごとくしゃべり、坂城が止めなければ永遠としゃべり続けていた
だろう…。怒鳴られたにも関わらず、秋穂はまた、えへーっと笑う。


坂城は思考する。


サワキタアキホ・・・


名前はわかった、が


一番大事なところがわからん!!


なんで2駅離れた鳳有学校に居る??


いくら土曜日だからといって・・・


秋穂も止められない妄想に入る。


メガネやばいよ〜〜////


美緒にもみせたい!!


一流さんとまさかの・・・キャー(≧∇≦) ←


葵先輩と自主規制とか思ってたけど、


一流さんの友達に鬼畜眼鏡なイケメン委員長的な人がいたなんて


まさかの隠し玉!!!!!


葵先輩はやっぱ日向と自主規制を――・・・




「本当にあの子誰??」
「朝義君の知り合いぽいよ??名前呼んでたし」


外野も騒がしくなってきました。


「えー…でも中学生ぽいし…」


外野は色々憶測を並べる。


「しっかし…何でここにいるんだよ…秋穂…」
「………………(282828)」
「無視すんな―――!!」


一流が問いかけても、秋穂は無視。


すごく危ない笑みを浮かべるのみだ。


そこで校内放送が鳴る。



キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン♪



『あ―あ―…朝義一流〜朝義一流〜金髪で退学になりそうな朝義一流〜今すぐ職員室
へ〜朝義一流〜+なぜか校内に青葉学園中等部の生徒がいる〜坂城正紀はいますぐそ
いつ等を見つけて生徒指導室へ〜』



「はあ!?」
「む。」
「にゃは?!」



自分の名前を呼ばれ、反応する三人。


一流は苦々しい表情を浮かべ、
坂城は仏頂面で横に視線をずらし、
秋穂はびっくりして固まっている。


放送はまだ続いていた。


『因みに…朝義一流は今すぐ来ないと、速攻退学にする。』


「な――――!?
行けば良いんだろ!?行けば!!」


一流はそう言って、外野をかき分けて職員室に急いだ。



.


prevnext
しおりを挟む




back


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -