坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




  01



「朝義!今すぐ染め直してこい!!」
「嫌だっつってんだろ!!今日は予定があんだからよ!」


秋、今日は快晴。

現在は朝、7:45。

学校に生徒が登校してくる時間である。

今日は土曜日だが、色々あって授業がある日。午前中で学校が終わる日だ。

しかし…1-Aでは生徒が教室に入れないでいた。いつものように坂城と一流が口喧嘩をしていたからだった。


「おっ…またやっ…はあ!?朝義…」
「ん?またかよ…ええ!?朝義…お前…」
「「あ、朝義君がグレたぁぁああ!!」」


だが…いつもと何かが違う…。
外野がとにかく一流の頭に注目していることだった。

「朝義、染め直してこい!!今すぐにだ!!」

そして坂城がいつもより3割増しに怒っている。


「っるっせ!!
母さんに染められたんだよっ!あと帰れねえって!」

一流もキレる。


そう一流の頭は染められて――…金髪だった。


真っ金々。


坂城に突っ掛かっているだけで素行の悪い不良だ。


何時ものようなじゃれあいには見えない。


そもそも…一流が髪を染めてきたのは母親のせいだ。

"染めてきた"のではなく"染められた"のである。


朝、起きたら金髪で…しかも8時。直している暇などなく…急いで学校に来たら時計が進んでおり、7時40分。


「あり得ねえ…」と呟き、母親に電話。


「母さん、俺の髪染めただろ!?」と怒鳴った所…「イメチェンよ、イメチェン☆奇抜なのが良いって思ったから、ね?」「ね?じゃねぇぇええ!!」と電話をしている所に坂城が来て…。


今までに至る。


一流の母も今日が学校だとは思わなかったようだ。何せ土曜日ですし。


因みに一流の母は町の集まりで朝から居ませんでした。


坂城は一流の肩を揺すり、訴えかける。


「おれはっ…俺は…!!
朝義はまだマシな方だと…」


「俺の話聞け!!
お前の眼鏡腐ってるだろ!?アホ坂城!!」


一流は坂城をギンッと睨み付ける。


自然と顔が近くなる二人――…。


(はぅ〜
ツンデレなんだよねっ!ツンデレu.k.!!
一流さん…MOEeeee!!
金髪に染めたのも、眼鏡鬼畜に見てもらうため――…。
なんて健気!
ハスハス(´Д`))


ん?
今、何か入りました?


「金髪に染めるなど…家庭で何かあったのか?俺にして…」


「だから聞け!噛ませ犬!!」


いや…それ言っちゃダメでしょ…。


(そ、そんな…!
実は眼鏡鬼畜がu.k.!?
最近かまってくれなくて一流さんは…ブッハッー!
はあはあ…息切れ動悸は病気ぃぃいい!!)


――…なんか、います?
なんか、入ってます?


「俺の話を聞けよ!」


一流は、パンっ!と肩にあった坂城の手を叩く。


「………っ!
そうだな…一方的に話を押し付けるのでは、まるで尋問ではないか。しかし…その前
に良いか…?」


坂城は急に冷静な表情になる。


一流は「あ、ああ…」と急に静かになった坂城を不思議そうに見る。


坂城はスッと自分と一流の横の間を指さす。


「この…明らかに俺らより年下な女子生徒は誰だ…?」


「はあ?」








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