坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




  07



どうして休日に部活以外でこの人―――……歩く変態こと篠塚華夜先輩に会わなければいけないのだろう……。


篠塚先輩は私服で、青のワンピースを着ていた。そのままだったら、普通に可愛く見えるのに、中身が残念過ぎる。ちらちらと歩いる人の視線を感じるし、中身は非常に残念だが、さすがミス鳳有。中身は本当変態としか言いようがないけども。


篠塚先輩は大げさな身振りも交えて、挨拶する。


「奇遇だな。こんなところで会うなど。運命かもしれん」
「そうですね先輩は頭沸いてるんですね」
「ああっ……こんな公衆面前の前で罵るなっ……いや、やっぱりもっと罵れ」
「どっちですかそんなに罵って欲しければ朝義の家に行けば良いと思いますよ暴力もおまけで付いてきますし」
「奴にはもう近づけんのだ。槻川と付き合ってるらしいからな」
「何を言ってるのですか、先輩。朝義は誰とも付き合っていませんよですから今すぐ朝義の家に行ってくださいこの時間なら店番をしてるはずです今すぐ俺の視界から消えてください変態」
「なぬ。本当か!? しかし、私は今はお前に罵られたい気分だ」
「すいません先輩、先に謝っておきます―――……死んでください」


ああ―――……この人の前だと本当に口が汚くなる。


本当に死んでくれ、篠塚先輩。


だが、篠塚先輩は俺の毒舌に唇を歪ませる。


「ああ……良い……見られてると感じなが「それじゃあ、俺はこれで」


聞いていると、耳が腐れる。くるっと回れ右をして、篠塚先輩に背を向けた。


「おい、坂城。誰かと待ち合わせしてたんじゃないのか?」
「すっぽかされたみたいなので帰ります」
「ぶっ……すっぽかされたとは……相手は大物だなあ!」


ああ、うるさい! 確かにアイツは大物になりそうだ。この俺を二時間も待たせておいて、約束をすっぽかしたんだからな。


そこで篠塚先輩が「ああ、そういえば……」と言いだす。




「大物といえば、さっき不良数人から追いかけられてる女子中学生を見たぞ」







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