坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




  06




そんなこんなで三日後。


待ち合わせ場所に二時間経っても、秋穂が来ない。


手元にあった本も読破してしまったし……アイツ何してんだ……?


携帯にも連絡は来ていないし……その前に俺は、待っている間だけ、と読んでいた本(秋穂に勧められた本だが、思いのほか面白かった)にはまってしまい、秋穂のことを忘れていた、という酷い話だがさすがに二時間も来ないとなると……。


「すっぽかされたか……」


そう思うのが必然というか普通というか。


電話をしてみたが「この電話は現在使われていないか電波の届かないところに……」という機械的アナウンスが出るだけ。


自分で誘っておいて……すっぽかすか、普通……。


二時間待った俺が馬鹿らしい……。


はぁ……とため息をついていると、


「お、坂城ではないか!」


…………休日では絶対会いたくない人の声が聞こえてきた。


無言でその場を立つ。


俺は何も聞かなかった秋穂から約束をすっぽかされ今から家に帰ってべんきょry……


「坂城! 私を無視するなっ!」
「……篠塚先輩……」







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