坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




  02





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「……うむ……」


俺は自分の部屋で携帯に来たメールを何度も読み返していた。


『 宛先:澤北秋穂
  件名:お誘い^^*

坂城さんーおひさです^^*
って三日くらい前に一度メールしましたね(^^;

この前の事故というか、なんというか、……まあ、この前のことなんですが……orz

坂城さんは良いと言ってくれましたが、うちの気が済みません。

ですので、何かお礼がしたいです……!

因みに坂城さんは甘いもの、好きですか?

うち、ブルーメのただ券持ってるのでもし良かったら、食べに行きませんか?

お礼にはなるか分かりませんが、良かったら><
秋穂』



「……誘い方がデートに誘っているみたいなんだが……?」


何度読み返しても、そう思える俺は自意識過剰なのか。


ただ、この少女――……ひょんなことで知り合いになり、なんだか雪白に仕組まれてメル友になった、澤北秋穂は、まったくと言って良いほど俺をデートに誘っているわけではないだろう。


コイツに、杜撰(ずさん)はあっても打算はない。


普通に、この前俺に迷惑をかけたと思っていて、お礼がしたいだけなのだろう。


デートに誘っているのでは――……俺がそう思ったのは、中学の黒歴史が関係している。





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