坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




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二週間とは早い――もう3月14日…ホワイトディ当日になった。今日は平野立案のホワイトディパーティである。用事があって約束の時間を30分過ぎた頃、雪白邸に着きあの執事ではない執事に案内され――このときから何かおかしいと思っていたが――雪白邸に入ると、屋敷全体がパーティ会場になっていた。そして、そこには見覚えのある生徒たちが着飾りホワイトディパーティを楽しんでいた。内輪だけのパーティだと聞いていたから驚いて固まる。



「これは、」
「いぇーい!生徒会長、楽しんでる?」
「いや、来たばっかりなんだが」


同学年の生徒に真顔で返答を返す。


「生徒会長の真顔ウケる!てか生徒会長もトゥイッターとか見るんだな」
「トゥイッター?……呟くサイトか」
「…ん?つーか、こういう騒がしいイベント来なさそうなんだけど」
「まぁ…雪白が自分の家に来いと言ったからな」
「ん?」


同学年の生徒と俺の言うことは噛み合っているようで噛み合っていなかった。とりあえず俺がここに来た経緯を話す。すると、話が違う理由が見えた。


「え?そうなの?へぇ……雪白って"あやめ"ってアカウントでトゥイッターやってるんだけど、そこで"パーティやるから自由に参加OK"って呟いててリンク先に詳細が書いてあったんだよ」


詳細には「私の家が分かるなら誰でも参加OK、着の身着のままお越しください。楽しいパーティにしましょう」と言ったことが書いてあった。そこから話に尾ひれがついた。この町に住んでいて雪白の家を知らないなんてことはありえないだろう。だから、雪白邸をよく知っている鳳有の生徒が雪白邸に集まった、ということか。


「ま、想像とは違っただろうけど楽しもうぜ生徒会長!」
「ああ…雪白に文句が言いたいがな!!」


そういうことになったのなら、連絡しろ阿呆!




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