坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




  03



 秋穂たちが来たのを皮切りに続々と人が集まって来た。


「うー……まだねみいよカナー」
「もう10時ですよ鴻季さん?」


仲睦まじく手を繋いで歩いてきたのは、平野奏と神人鴻季。今年もお熱いことで……学校ではもう少し自重してほしいものだと苦笑する。


椎名が平野を見たとき固まったのはなぜだろうか。


次に来たのは、礼宮アリア先輩、鮎川静先輩、藤野光先輩の三方。三人も雪白に呼ばれていたことに驚く。


「……雪白さんは前科があります。私がきちんと見なくては」
「楽しそうだから来たよー」
「同じく。あとは二人のお守だ」


藤野先輩の一言で礼宮先輩が怒り、鮎川先輩が宥めようとしたが怒りの矛先が変った。この三先輩も相変わらずだ。


次に来たのが――……鬼門の篠塚先輩。なぜ呼んだ。俺への嫌がらせか……! だが、今日は礼宮先輩がいたので助かった。被害が最小で済む。


「お姉さま――――!!」
「げ……篠塚……」
「はん……鮎川しっしっ! お姉さまに半径1キロ近寄るな」
「それはこっちのセリフだ! アリアちゃんに気安く抱きつくなよ。俺抱きつけないのに!」
「……はっきり言います。二人とも竹刀で叩かれたくなかったら、今すぐ私から離れなさい」
「「えうぇえ!?」」
「なんですかその反応!? 嫌がってるのを分かってください変態共!!」
「「コイツよりマシだ!」」
「どっちもどっちです!!」


三人がぎゃあぎゃあやっている時に、朝義と槻川が騒ぎながら歩いてきた。


「もうみんな来てる!」
「お前がマンホールに落ちそうになるからだろ」
「ちがっ! 新年早々工事する業者が悪いんだよ!?」
「んなわけあるかよ」
「いたっ! 暴力反対―」


すっかり二人もカップルである。二人の様子を見て秋穂も何か気付いたのか嬉しそうに笑った。


さて、各々(おのおの)好き勝手にやっているが、主催の雪白が来なければ意味がない。



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