坂城くんと秋穂ちゃん | ナノ




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それは新年を迎え5日も過ぎた日――……ことの発端は雪白からのメールだった。


『宛先:雪白あやめ

件名:ぼち城くんへ遊びの誘いww

本文:今週の日曜日午前10時に動きやすい格好(ジャージなど)で鳳有高校グラウンド集合。酷い目に遭いたくなかったら、防寒はしっかりしなさい。来なかったらあることないこと噂にするから(笑)』


なんと突っ込み所満載なメールなんだ。


まず、遊びの誘いと書いてあるのに命令文なのはなぜだ。俺にはこのメールをどう読んでも脅迫文にしか見えない。あと――……ぼち城ってぼっち、ひとりぼっちってことか!? うるさい。好きで一人なんだから放っておいてくれ。


遊びの誘いもとい脅迫メールに従う気はさらさらなかったが、『鳳有高校グラウンド』という場所指定が気になった。なぜ……鳳有高校のグラウンド……?


どうやらこれは俺だけに向けられたメールではないらしい。というか、雪白と二人で遊ぶほどの仲ではない。必ず、他の奴も誘っているに違いない。


――……アイツは鳳有高校で何をする気だ?


それこそ夏休みの初日のようなことが――……?


「これは……行かなければ、な」


鳳有の生徒会長として、俺個人としても、これ以上、雪白に高校で遊ばれては困る。頭は良いくせになぜああも馬鹿なのか。天才と馬鹿は紙一重とは言ったものだ。アイツが行動でそれを証明してくれる。


証明なんぞ俺たちに迷惑がかかるだけで、しなくて良いものを。


一方的なメールに返事はせず、雪白のせいで狂った今週日曜日までのスケジュールを頭で立て直した。




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