01
それは新年を迎え5日も過ぎた日――……ことの発端は雪白からのメールだった。
『宛先:雪白あやめ
件名:ぼち城くんへ遊びの誘いww
本文:今週の日曜日午前10時に動きやすい格好(ジャージなど)で鳳有高校グラウンド集合。酷い目に遭いたくなかったら、防寒はしっかりしなさい。来なかったらあることないこと噂にするから(笑)』
なんと突っ込み所満載なメールなんだ。
まず、遊びの誘いと書いてあるのに命令文なのはなぜだ。俺にはこのメールをどう読んでも脅迫文にしか見えない。あと――……ぼち城ってぼっち、ひとりぼっちってことか!? うるさい。好きで一人なんだから放っておいてくれ。
遊びの誘いもとい脅迫メールに従う気はさらさらなかったが、『鳳有高校グラウンド』という場所指定が気になった。なぜ……鳳有高校のグラウンド……?
どうやらこれは俺だけに向けられたメールではないらしい。というか、雪白と二人で遊ぶほどの仲ではない。必ず、他の奴も誘っているに違いない。
――……アイツは鳳有高校で何をする気だ?
それこそ夏休みの初日のようなことが――……?
「これは……行かなければ、な」
鳳有の生徒会長として、俺個人としても、これ以上、雪白に高校で遊ばれては困る。頭は良いくせになぜああも馬鹿なのか。天才と馬鹿は紙一重とは言ったものだ。アイツが行動でそれを証明してくれる。
証明なんぞ俺たちに迷惑がかかるだけで、しなくて良いものを。
一方的なメールに返事はせず、雪白のせいで狂った今週日曜日までのスケジュールを頭で立て直した。
prev|
next
しおりを挟む