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――……鳳有高校・グラウンド
晴々とした太陽と高く澄み渡る空。
大地は昨夜どっさりと積もった雪に覆われ、太陽を反射しキラキラと光る。一歩足を進めれば、ギュッとした音が耳に届き、積雪に真新しい足跡がついた。
そして――……グラウンド中央に集まった猛者達。
雪玉を片手に握る俺、ムスッとした礼宮アリア先輩、ニコニコと笑う鮎川静元生徒会長、何を考えているか分からない藤野光先輩、口端を持ち上げて笑う篠塚華夜先輩、そして「やるぞー!」と気合いを入れている澤北秋穂。
それと対面するような形で、悪どい笑みを浮かべる雪白あやめ、不安げな槻川藍、楽しげに笑う神人鴻季、不機嫌に俺を睨む朝義一流、ひきつった笑いをする平野奏。
学年も立場も何もかも繋がりがないような11人がグラウンド中央に、6対5で対面していた。
――……人は違えどもさながらこの光景は、あの夏の戦争を彷彿とさせた。
「皆さん準備はいいかー!」
「「おー!」」
審判役をかった椎名菫がその両者の少し空いた隙間に立ち、音頭を取る。いつもはダルそうにしている椎名も、今は気分が高揚しているようで、不敵な笑みを浮かべている。
「それでは開戦するぞー!
ヨーイ……」
――……緊張の一瞬。
ドンッ!
……――椎名の声がグラウンドに響いた時、ドタバタと場は入り乱れた。
六皿目
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