02
秋穂は事情を話すと『なるほど。分かりました! もう冬休み前で暇ですし、鳩羽に行きます』と快く承諾してくれた。
この前のこともありなんだかすまない……と思いつつ……承諾してくれたことに安堵した。
俺が秋穂を頼った理由はただ一つ。
――……幼児と精神年齢が一緒だろ、アイツ。
……という、秋穂に失礼千万なイメージを抱いていたためだ。秋穂、すまん。ただ、少女なら子どもの扱いも分かっているだろうし、面倒見るなら一人より二人……間を持たせるためにも少女は必要だと思う。
俺は時計を確認して、持ってきたおもちゃで遊んでいる祐に出来るだけ優しく……と心掛けて声をかける。
「祐、ちょっと俺の知り合いを迎えに行かないか?」
「どこかおでかけ!?」
祐は、きらきらした輝いた目で俺を見る。どうやら、おもちゃで遊ぶのも限界だったようだ。子どもは飽きやすい。おでかけではないが――……と前置きをして話す。
「家から駅まで散歩しよう。駅で知り合いが待ってるんだ。寒いから、ちゃんと上着を着ていこう」
「おでかけ!おでかけする!ちゃんとうわぎもきる!」
祐は、きゃっきゃっ言い始め、「せーきにいちゃんもうわぎきなきゃおそと出れないんだー!」と生意気にもそんなことを言った。
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