03
「はよー、ことらー、たむらー、こーさかー」
「おはよう、田村さん、高坂さん、山月くん」


そこへ、平城真也と媛路彰陽――ショウが起床してきた。


「はよ、平城、媛路」
「おはよう、真也くん、ショウくん」


沙弥と千百合は二人に挨拶を返し、小虎は「……おはよ」と赤い顔を悟られまいと皿を洗いながら簡単に挨拶した。
二人は席に着き、目の前に用意された朝ごはんに手を合わせて、即食べだした。


「朝ごはーん!!」
「おいしそう!」
「よく食うよなぁ、お前ら……犬か」


やっと顔の熱が引いた小虎は、千百合とがっつく犬のような二人にご飯をよそって出した。


「ありがとう、ダーリン」
「ぶほっ!?だからそれなんなんだよ!!?」


まだ続いていたのか、と沙弥は呆れながらごはんに海苔を乗せて食べる。犬のような二人はご飯に夢中で小虎と千百合のやりとりには無関心だ。


「山月くんは私のダーリンだから、ダーリンって呼んでるだけじゃない」
「俺にハニーはいた覚えがねえ!!」
「私がハニーでいいじゃない?」
「なんでそうなる!!?」


沙弥は「やっぱり、今日の千百合ちゃん押しが強いなぁ…」と思う。
だが、いつものように唐突に決めたのかもしれない。あとで「今日は押せ押せでいくの」とこっそり教えてくれる彼女が目に見えた。


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bkm
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