05




――一方、追い出された市来とアルベルトは、下のリビングで小虎にあきれられていた。


「なにやってるんですか……市来先輩」
「うるせェ。おかわりィ」


小虎は市来が差し出したお茶碗を受け取る。市来は小虎に「腹減ったァ、」と言い遅めの朝食を食べていた。小虎は市来の茶碗にご飯をよそいながら、深くため息をつく。


「新見先輩怒らせないでくださいよ……ヘソ曲げたら夜中にしか出てこなくなるんですから…」
「やっぱり夜行性だな、新は」
「アルさんはいい加減、新見先輩を人間として見てください!」
「小虎ァ、やっぱ女は年上で巨乳だよなァ?」
「は!?」
「お前ら、今度イタリアの女紹介してやろうか?」
「マジかよォ」
「先生なのに生徒と同じくらいの俺たちに女紹介するとか言わないでください!もう嫌だ……気まますぎる二人……」


……市来とアルベルトによって小虎が一人苦労していることを、屋根裏で二人の悪口が弾む二人は知らない。




prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -