釘バットボーイと、驚喜を手に入れた俺。 | ナノ

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「しっかし、お前も運が悪いよなあ、コンビニ帰りに襲われるとか」
「まあ、お前が忠告してくれたお陰で地獄から這い上がれたけどな」


――消毒液が香る、白を基調とした病室で、見舞いに来たノトに事の顛末を話すと、同情された。


俺は、南西に釘バットで殴られ全治二ヶ月の怪我を負った。頭には包帯がぐるぐる巻き。西東のこと笑えねえ。


一週間、生死の境をさ迷ったと医者から説明され驚いた。一週間も寝ていたなんて、信じられなかったけど、日付はしっかり一週間後を指していた。


面会は今日からで、ノトが来てくれた。うれしかな男の友情……と思ったら事情話せ、とただの野次馬だった。見舞い品の漫画に免じて許してやるが。暇なんだよ、入院生活。


ノトには警察に話した通りのことを話した。静子と愛子のことは勿論、伏せた。静子と愛子は「コンビニに行った帰りの遅い幼馴染みを心配して見に行った」と言ったらしい。俺はそれに合わせただけだ。三人とも厳重注意で済んだ。だが、俺を殴った南西は入院後傷害の罪に問われる、と警察が教えてくれた。警察は、南西が何を言っても信じないだろう。色々前科アリ、っていうのは大変だ。


「まあ、釘バットボーイも捕まったし安心だろ!」
「ああ、俺は災難だった、って話だな」


本当は捕まっていないんだけど、と思いつつ。ノトがそろそろ帰るわ、と言ったところで、病室がノックされた。

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