「私……英雄を探しているんです。世界を変えられる様な、強い力を持った、英雄を……」
「英雄……つまり、私達は貴女が求める英雄ではなかった、という事ですね?」
「……はい……」
期待が崩れたからなのか彼女からは落胆の色が見えた。
フィリアは顔色一つ変えずに質問を続ける。
「どうして英雄を探しているのですか?」
「……私、知りたいんです」
落胆は強い羨望に変わった。
「英雄は何故力を持つのか、その力の源は何なのか……どうしても、知りたくて……そして、手に入れたいんです、そんな力を」
「貴女は、強い力を望んでいるのですか?」
「はい……」
「そうなのですか……。ですが私には、貴女は既に大きな力を持っている様に思えるのですが」
フィリアの言葉を聞いてリアラは一瞬眼を見開き、次に大きく首を横に振り否定する。
「コレじゃ駄目なんですっ、こんなちっぽけな力じゃ……何も……」
「……それは、貴女が望む力ではない……だから貴女は、貴女が望む力を持つ人を探しているのですね……」