「あ、あの……フィリア司祭様……ですか……?」
現れたのは10代中頃の少女。首には丸く変わった光の反射をするペンダントを付けており、神団の関係者ならば着ている筈の神団服を着ていない。
3人が腰を上げると、何かに気付いたらしい少女はおずおずと近付いた。
「もしかして……オベロン社総帥の、エミリオ・ジルクリスト様……?」
「ああ、そうだが」
「……良かった……」
何か安心したらしい少女は、すぐに我に返り頭を下げる。
「ご、ごめんなさい突然……! 私、リアラと言います……」
「リアラさん、ですね。私に何かご用なのでしょうか」
相手の緊張を解く為かフィリアは優しく問い掛けた。それが通じたのかリアラと名乗った少女は頭を上げ、少し落ち着いた表情で答える。
「はい、その……フィリア様だけではなく、エミリオ様にも……」
「私にか?」
「は、はい……」
エミリオの訝しげな眼に萎縮するリアラ、そこへジョブスが助け船を出す。