同じ空の下にあるダリルシェイド。その街中でジョブスは何やら探している青年を見つけ声を掛けた。
「どうした? 迷子?」
青年は数秒程間を置いた後、懐からレンズを出し質問に答える。
「実は街の外でレンズを拾ったんですが、何処に持っていったらいいのか……」
「あーこの街広いからなァ……此処を真っ直ぐ行って、1つ目か2つ目の所を右に曲がれば引き取ってくれるトコあるから」
「ありがとうございます」
「いやいや、困った時はお互い様っつーかね。……っと、俺はコレで」
その場を離れジョブスが向かうのはダリルシェイドの霊園。
静かなその場所にある、青い花が咲く墓の前にその人は立っていた。
「総帥っ、馬車の用意が出来ましたよ」
「ん、ああ……」
顔を上げる彼の顔には少し疲れが見て取れる。だがすぐにそれを隠し墓から離れた。
「無理はせんでくださいね」
「分かっている、……行くぞ」
蒼に誓った気概を抱いて。