胸を張るカイルは得意気、それをロニは少し複雑な感情が入り交じった眼で見ていた。
しかしすぐに普段の彼になり、共に町を見ながらこれからを話す。
「さーてカイル、これからどうする?」
「もちろんあの子を捜すよ」
「捜すったって、何かアテはあんのか?」
「え? えーっと……」
答えられないという事は、具体的な事は殆ど考えていなかったのだろう。先行きに少し不安を覚えつつロニは手助けをする。
「あの子は何て言ってたか覚えてるか?」
「うん、英雄を探してるって……」
「じゃあ、今の世の中で英雄といったら?」
「……あ、父さん達!」
気付いたカイルは眼を輝かせた。
「あの子は18年前の英雄に会いに行くかもしれないんだね!?」
「そういうこった。で、ここから消去法だが、あの子に会ったラグナ遺跡から近いクレスタに来た様子は無い。ルーティさんがクレスタに居るって知らなかった可能性もあるけどな、今は一般人だし。で、スタンさんは今居所知れずだからコレも除外」