憧れの父の言葉、眼を輝かせるカイルに真剣な表情で告げた。
「自分にとって“かけがえのないモノ”を見つけなさい、きっとそれがカイルを強くしてくれるから」
「……かけがえのない、モノ?」
その意味を理解出来ずに首を傾げればルーティは小さく笑う。
「カイルならきっと分かる時が来るわ」
「そう、なの?」
「ええ……きっと」
自分がそうだった様に、母は願いを込める。
そして旅立ちの時間、準備を終え外に出たカイルとルーティは改めて顔を合わせた。
「何時でも帰ってらっしゃい、此処はアタシが……いやアタシ達が守るから」
ねっ、と笑ったのルーティの周りに建物の裏から子供達が集まる。てっきり未だ寝ていると思っていたカイルは驚きそれを言った。
子供達は屈託無く笑う。
「だまってたびにいくなんて、みずくさいぞ! カイル!」
「あ、もしかしてアタシたちにあったらさびしくてなくとおもったとかー?」
「へへっ、オレたちはさびしくなったりしないんだぜ!」
「う、うん、えがおで、おみおくりするよっ」