「あと、コレ……」
「ロニが直してたわよ。……大事にしてくれてるみたいね」
御守りを見つめ微笑む母にカイルは訊いた。
「母さんにコレをくれた人って、どんな人なの?」
「……そうね」
ルーティは笑顔を向ける。
「優しい人よ、スタンやリオンと同じくらいに。もうこの世には居ないんだけどね……大事な人よ」
「……そっか、……俺、コレ大事にする」
「そんなの当たり前じゃない、アタシがあげた物なんだから」
また背中を叩き、清々しく笑う。
「さっ、早く食べて準備しなさい。こういう時にテキパキしないと先が思いやられるわよ」
「わ、分かってるよっ」
椅子に座った2人は明るく言葉を交わす。今までの事、これからの事、レンズハンターとして培った旅の心得、夢に向かってやって来た努力。出来る話を全て、コレで最後なんて思わずに。
そして食事が終わる頃、ルーティが新しい話を切り出した。
「さて、カイル、旅をするにあたって、スタンが言いそうなアドバイスをしてあげる」
「えっ!? な、何!?」