「実は、それくれた人ってもう亡くなってんのよ。形見を御守りにとかあまり良い印象じゃないかもしれないけど、カイルを護ってくれるかなと思ってさ」
「……そうだったんですか……大事で、しかも信頼してたんですね」
「うん……その人が居なかったらアタシ達此処に居なかったかもね」
自然と呟かれた言葉だがロニにはそれが非常に重く聞こえた。
その理由は訊かずとも彼女の口から語られる。
「ていうか、そうね……大事っていうか“特別”かしら。彼女、リオンの特別な人だから自然とアタシ達もそう考えてるのかも」
「特別な人って……」
「頑固なのもそれが理由、後悔した分前を向こうっていうね。あ、コレ内緒ね」
語られた英雄の一面。
ロニは訊くべきではないと思いながらも、訊いた。
「スタンさんも……同じ、ですか」
「当然じゃない、単純バカだもの。危ないくらい真っ直ぐだけど、それがあったからアタシ達も未来が見れた」
眼には喜びと、悲哀。