ジョブスが苦笑いを見せているとノックの後にすぐドアが開く。入って来たのは使用人である軽食を持ったマリアンであり、彼女はジョブスに微笑み掛ける。
「ジョブス様、来ていらしたのですね」
「ええ、あっちに居るとウイルがグダグダとうるさいもんで」
「あら、相変わらずですね。……と、息子が何時もお世話になっています」
深々と頭を下げる彼女に、ジョブスはやや恐縮していた。
「いえ、寧ろ世話になってるっていうか……飯作ってくれる人が居るとかなり士気が違ってくるというか……。総帥、何でウチの部隊女子が居ないんでしょう……」
「お前が居るからじゃないか」
「俺ァ地雷か何かかい」
歯を食い縛る彼に呆れるエミリオは食事を取りつつテーブルに置いていたファイルを手に取った。その行動をマリアンがたしなめる。
「エミリオ様、お食事中くらい仕事から離れてください」
「……すまん」
視線を床に落とし謝った後、彼はファイルを元の位置に戻した。
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bkm
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