12

 大きく頷くカイルはその場で構えたままモンスターを見ている。“何か”を狙っているのは明らか、ならばとロニが動いた。


「露払いは任せな!」


 モンスターは大口を開けロニとユダを狙い突進してくる。それは水上故にかなりの速度であり、身体の大きさを考えると攻撃範囲、威力共に生身で受けるのは非常に危険だろう。

 ユダは後方へ下がり、ロニは跳んで巨体を避けハルバートを頭上に構えた。


「爆灰鐘!」


 自身の落下の勢いを合わせ振り下ろされたハルバートは長く堅い身体に命中し、致命傷にはならないもののその衝撃には堪えたのか身を捩り水路に逃げようとする。

 だがユダがそれを許さなかった。


「シャドウエッジ!」


 漆黒の刃が身体を貫き怯ませる。それは一瞬の出来事でありすぐにモンスターは行動を再開するが、カイルはその一瞬を待っていた。


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bkm

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