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 だがロニが追い付く前に彼は跳び、剣が攻撃後の大きな隙を作っているモンスターに振り下ろされた。だがやはり刃が立たず弾き返される。

 弾き返されただけならまだいい、だがカイルは空中に居る。モンスターがそれを狙わない筈が無く、閉じた口から冷気が漏れる。


「カイル!!」


 ロニの叫びと、口が開くのは同時だった。

 だがそこから先の行動はユダが一番早かった。


「ネガティブゲイト!」


 展開された亜空間がモンスターを捕らえ拘束する。そして彼は駆け、跳び、魔物の頭上を取り頭を狙う。


「獅子戦吼!!」


 獅子を象った闘気が命中し、その身体は水面に叩き付けられた。

 ユダは通路に着地し、カイルも運動神経が高いのか水路に落ちる事無く反対側の通路に両足を付ける。


「ありがとユダ!」

「礼を言う暇があるなら打開策を考えろ。何も考えずに突っ込むなんぞ有り得ん」

「ご、ごめん……」


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bkm

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