「マジで出やがった……! どうするカイルっ」
「決まってる!」
剣を抜いたカイルは、真っ直ぐモンスターを睨み付ける。ユダは既に戦闘体勢を取っていた。
「ったく、他で暴れられても癪だしな……!」
ハルバートを構えたロニはモンスターの動きに注意を払う。
モンスターは水中から尾を上げ、戦意を高める彼等を狙い斜めに振り下ろした。固く大きな身体によるその攻撃は重いモノだと考えずとも分かる。しかし単調である故避けるのは簡単であり、ロニとユダは後方に、カイルは前に避けた。
尾は軌道が斜めだったせいかそのまま水面を叩き付け、水が弾け3人を濡らす。
「チッ、戦るとは言ったものの分が……、カイル!?」
前に居たカイルがモンスターに向かい走り出す。何か策がと思いたい所だが、不安の方が大きい。
「あの馬鹿……!」
ロニが追おうとする、それは少年に策が無いという事で間違いないだろう。
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bkm
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