暗闇に響く足音と、潜められた会話。進んでいるとその中に風の音が混じり、身体でも空気の流れが感じられた。
「お、そろそろ出口か?」
「かもしれんな……」
此処まで特に異音は無い。
水路の流れに従い角を曲がると、暗闇の中に弱い光が見えた。
「あ、アレ出口だよねっ」
「分かりきった事で一々……」
ほんの一瞬だけユダは足を止める。それを他の2人が違和感に感じた瞬間に彼は叫んだ。
「走れ2人共!!」
直後に背後から大きな水音が響き、ほぼ同時に3人は出口へ向かい駆け出す。
あと数メートルで外に出る所でユダが足を止め、後ろを向いた。その眼は何も居ない場所に狙いを定めており、彼の周りに3つの光弾が現れる。
「デルタレイ!」
放たれた光弾は、水路から現れた何かに直撃し怯ませた。
その姿は蛇の様だが、普通の物と比べ圧倒的に巨大。そしてその身体は出口から入る月明かりで金属の様な光沢を見せていた。
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bkm
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