「ま、何であれサンキュな」
ソーサラーリングを無言のユダに投げ返しロニはハルバートを担ぐ。
それから3人は歩みを再開した。
「それにしても、あの糸何だったんだろ……自然に出来るわけないよね」
「そうだなァ……虫にしちゃ粘りが強過ぎるしな……モンスターって可能性もあるな」
「え、じゃあ俺達危ないんじゃ……」
「危ない処の話じゃないだろう」
焦るカイルにユダが“危険”を語る。
「この暗さ、しかも海に繋がっている……暗がりを好む水棲モンスターが入り込んでいるのかもしれん。こんな所で戦闘になれば、苦戦するのは眼に見えている……ライトに寄って来る事も考えられるな」
「じ、じゃあ早く出ないとっ」
「焦るな、暗闇では音が何より大事だ……しかし同時に緊張を解す為に他者との会話も重要になる……何にせよ耳はよく働かせておけ」
「う、うん」
忠告を受け取りカイルは深呼吸をし肩の力を抜く。
prev next
bkm
[back]