「死者を蘇らせるとは、貴様の神は随分と寛大なんだな」

「我が神の意思、それは全ての人に幸福を与える事……その中に貴女も含まれているだけの話」


 その主張を彼女は鼻で笑う。


「死という最後の概念を与えられた時点てその者は“過去”となる。過去に干渉する事が幸福への道だとは思えんな」

「死という概念を与えられた貴女だからこそ、幸福という概念の尊さを知っているでしょう。悲劇の中心に居たのなら、尚更」

「つまり、全ての元凶たる私ならば幸福という餌に釣られ貴様に尻尾を振るだろうと、そう考えているわけか」

「そんな事はありません。ただ少し、私に貴女の“力”を貸してほしいだけなのです」


 エルレインの態度は全く高圧的ではない、寧ろ腰が低いとも言える。

 だが彼女は笑い飛ばした。


「それが本音だろう? 分かるぞ、私の胸の中で忌まわしき“コレ”が私の脈を打っている事を……この力で貴様は何を企む」


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bkm

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