重い沈黙でカイルも口を挟めなかったが、小さな溜息によりそれはすぐに終わった。


「その警戒心はあって当然のモノだな」

「答えになってないんだが」

「答える義理は無いという事だ。そこの英雄志願者の様にホイホイと素性を明かせる程、良い暮らしはしていないんでな」

「……確かに、今更かもしれねェけどな」


 そう言ったロニはハルバートを壁に立て掛け、ソーサラーリングの熱線を刃に付いた糸に射ち当てる。すると糸は焼け、全て刃から消えた。


「へー、レンズってこんな使い方もあるんだね」

「だな、今は護身晶術用のレンズやそいつが持ってるライトとかしか一般人は基本持たないからな……ま、その方が良いんだろうが」


 彼がその言葉を呟くのは、18年前の出来事が関係しているのだろう。その18年前には未だ産まれていないであろう少年は、疑問を抱く事無く素直に頷いている。


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bkm

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