雰囲気を良くしようと彼は一生懸命言葉を繋ぐ。

 その様子に溜息を吐いたのはロニだった。


「カイルに正論ぶつけられるとは……俺も落ちたもんだなァ」

「な、何だよそれっ、俺だって成長してるんだからなっ」

「引き出しの奥に赤点テスト隠してる奴に言われたくねェよ、ってな」


 意地悪な笑みにカイルは酷く慌てる。


「そ、それはたまたまっていうか、ちょっと調子悪かったっていうか、何で知ってんのさっ」

「へっ、お前の事なら俺は何でもお見通しだぜ」

「うー……あ、ユダ今笑ったでしょ!?」


 喉の奥で笑っていたユダは、やはり冷やかな言葉を返した。


「こんな所でよく騒げるなと思ってな……。それに、そのハルバート、そのままでは切れ味が落ちるんじゃないか?」

「え、あ、ああ……確かにそうかもな……」


 通路の障害物は焼き払われたが、その前に斬り開こうと使用したロニのハルバートにはその残骸が残っている。しかし水で落ちないのは既に確かめており、手で取り払うのも難しいのは触らずとも分かる。


prev next

bkm

[back]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -