「何だコリャ……斬るのは無理だな、手で払うのもマズイか……」
「じゃあ晶術で燃やすっていうのは?」
カイルの提案にロニは残念そうに首を横に振る。
「俺は火の術は使えねェし……お前、周りに何の被害も出さずに術が使えるか?」
「それは……うーん……広い所で、モンスターに当てるなら……」
「障害の排除には向かねェよな……」
悩むロニだが、眼はユダを見ていた。それが何を意味しているのか分かったらしい彼は鼻で笑う。
「僕にやれと?」
「いや、晶術は密度の高い特殊なレンズが要るし、使える属性は人に違うしな」
そんな上手い話は無い、そう言ったロニにユダはハッキリと告げた。
「持ってるし、使えるが?」
「しかもレンズが結構貴重で……って、は?」
「ユダ、晶術使えるの!?」
驚愕する2人を他所に彼は障害物の前に立ち手の平を向ける。
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bkm
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