16

「家族を助けてもらったんだ、名乗るくらいはしないと駄目だろ」

「家族……」

「血は繋がってないけどな、家族には違いねェ」

「…………」


 彼はカイルを見た、少年は笑顔で頷いている。


「……家族揃ってレンズ泥棒とは、親の顔が見てみたいものだ」

「それは濡れ衣だっつのっ」

「でも横取りは考えてたよね」

「う……」


 カイルの一言に押し黙ってしまうロニ、当然鼻で笑われる。


「呆れた奴等だ……」

「ぐ……て、ていうかよ、結局お前は何で彼処に居たんだよ」


 矛先を変えると彼は背を向けて歩き出し、2人はそれを追う。

 ロニが彼の行動に意見を述べようとした時、歩みを進めたまま疑問への答えが返ってきた。


「僕はアタモニ神団について調べている。その為に此処に忍び入った際、やかましいお前達に出会したわけだ」

「そうなんだ……どうして神団の事調べてるの?」

「最近レンズが神団に流れているみたいだからな。レンズについて調べている身としては、気にならない筈は無い」


prev next

bkm

[back]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -