「家族を助けてもらったんだ、名乗るくらいはしないと駄目だろ」
「家族……」
「血は繋がってないけどな、家族には違いねェ」
「…………」
彼はカイルを見た、少年は笑顔で頷いている。
「……家族揃ってレンズ泥棒とは、親の顔が見てみたいものだ」
「それは濡れ衣だっつのっ」
「でも横取りは考えてたよね」
「う……」
カイルの一言に押し黙ってしまうロニ、当然鼻で笑われる。
「呆れた奴等だ……」
「ぐ……て、ていうかよ、結局お前は何で彼処に居たんだよ」
矛先を変えると彼は背を向けて歩き出し、2人はそれを追う。
ロニが彼の行動に意見を述べようとした時、歩みを進めたまま疑問への答えが返ってきた。
「僕はアタモニ神団について調べている。その為に此処に忍び入った際、やかましいお前達に出会したわけだ」
「そうなんだ……どうして神団の事調べてるの?」
「最近レンズが神団に流れているみたいだからな。レンズについて調べている身としては、気にならない筈は無い」
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bkm
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