15

 落ちる少年の身体、すぐに真下に移動した彼はそれをしっかり受け止めた。その際の衝撃で倒れる事は無く、数秒の間の後に2人は安堵の息を吐く。


「まったく……だから言ったんだ」

「ご、ごめん……」


 ゆっくり降ろされたカイルは彼を見た。


「次は気をつけろ」

「……う、うん、ありがとう」


 忠告と共に一瞬だけ彼は微笑を浮かべた。それは非常に優しいモノで、何故かカイルは戸惑いを見せている。


「おいカイルっ、大丈夫かっ」


 梯子を降りた青年の声で我に帰ったカイルは大きく頷いた。


「大丈夫、ユダが助けてくれたから」

「そうか……、うん、えっと……ありがとな」


 少しバツが悪そうに礼を言う青年に彼は素っ気なく返す。


「べつに……目の前で怪我でもされたら夢見が悪いからな」

「そうかよ……俺ァ、ロニ・デュナミスって言うんだ」


 青年――ロニが名乗ると彼は訝しげな表情を見せた。それかま何故かはロニには分かる。


prev next

bkm

[back]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -