2人の武器である剣とハルバートも乱雑に置かれていた。
「ったく他人の得物を放り投げやがって……」
「早く行こっ」
「おう」
カイルは剣を、青年はハルバートを持ち扉を閉め部屋を後にする。その間にも足音は大きくなっており、彼は2人の姿を見てから通路の奥へ早足で向かって行った。
それを2人が追うと、カイルが腰に付けている半開き状態だった道具入れから何かが落ちる。
「あ……」
慌ててそれを拾うカイルを青年が叱咤した。
「何やってんだっ」
「ご、ごめん」
拾ったそれを強く握り締めカイルは廊下の角を青年と共に急いで曲がり、そこで足を止めていた彼が2人に指示する。
「静かにしてろ……」
真剣な表情に2人は息を潜めた。
1人分の足音はすぐ近くまで来ている。
「まったく見回りなんてかったるいなァ……何時になったら大神殿に行けるんだか……」
愚痴を溢している所を見ると脱走には気付いていない様だ。
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bkm
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