「おはよう、よく眠れました?」
「……まあ」
曖昧に答えたユダはエミリオから離れた位置、かつ正面で顔を合わせない位置のソファーに座る、その動作は寝起き故か普段よりもゆっくりなモノだった。
「リリスさんっ、サラダ出来上がりましたよー」
「マジでこの量を食うのか……?」
「ありがとうロニ、そこに置いてくれる?」
「分っかりました!」
キッチンから戻ってきたロニとジョブスの手には野菜がたっぷり入ったボウルがあり、それはリリスの指示通りテーブルの中心に置かれる。どうやら使ったドレッシングが違うらしい。
特に理由無くエミリオがユダを見ると、寝起きの目は食事に向けられていた。それには何処か落ち着きの無いモノが確認出来る。
「まだ眠いか?」
「……べつに」
「そうか」
短い言葉を交わす2人。
その間に夕食の準備が整いリリス、カイル、ロニ、ジョブスも腰を降ろす。数時間前まで命の危機晒されていたというのが夢だったかの様に、穏やかに食事の時間は始まった。
「んーっ、やっぱりリリスさんの料理って美味しい!」
「ルーティさんのも最高だが、コレも別のベクトルで最高だ!」
「歪みねェなロニ君……」